「私達家族に心臓マッサージをさせてください」

すぐに救急車が駆けつけて、自宅からほど近い総合病院へ搬送された。

医師や看護師による心肺蘇生が行われた。家族に対して看護師が状況説明に来るが、希望を持てるような報告は一度もなかった。そして、いよいよ状況的に難しいと伝えられた時、母親は病院側に依頼した。「最後、私達家族に心臓マッサージをさせてください」

母親、父親、そして高校3年生になる少年の姉の順番で、1分間ずつ両手で彼の胸を押した。