愛知県一宮市に「寒くないスケート場」が期間限定でオープンして話題となっています。その背景には市民の「ある想い」がありました。

ここは、全く寒くないスケートリンク。12月10日に愛知県の「一宮スポーツ文化センター」の一室にオープンした、なんとも不思議な空間。その名も「いちみんリンク」です。

(スケート歴5年の女児)
「全然寒くない。動き回るから、めちゃくちゃ暑くなって汗だく」

これまでは市民が参加する作品展などが行われていた展示室なんですが…。人工のスケート場に生まれ変わりました。氷の代わりにシリコンオイルが塗られた樹脂パネル30枚が敷き詰められています。

パネルはスペインのメーカーが開発。世界90か国以上に普及しているとのこと。広さは60平方メートルです。滑り心地はいかに?

(スケート歴1年の女児)
「普通の氷よりは固かったし、溶けなかったので楽しかった。寒くはなかった」

そうです、全然寒くないんです。

(スケート歴5年の女児)
「滑り方は(氷のリンクと)違うが、スケートリンクらしいものができて嬉しい」

しかし、一体どうして、このリンクが生まれたのでしょうか?

(一宮スポーツ文化センター 田上茂総括責任者)
「ことし3月末をもって一宮市唯一のスケートリンクが閉鎖となった」

ことし3月、56年もの歴史を重ねたスケートリンク「一宮市スケート場」が老朽化などを理由に、惜しまれつつ閉鎖されました。

(訪れていた市民)
「(閉鎖されるのは)悲しいです」
「楽しい場所だったので、すごい寂しいです」

この事態を受けて一宮市は…。

(一宮スポーツ文化センター 田上茂総括責任者)
「(スケート)文化を継承するためにも、何か力になれればとイベントを(開催した)」

この「いちみんリンク」は氷のスケートリンクと違って電気代がかからないというメリットがあります。また、レンタル用のスケート靴やヘルメットなどは閉鎖された「一宮市スケート場」にあったものを再利用。靴にはこんな工夫が…。

(一宮スポーツ文化センター 田上茂総括責任者)
「(ブレードの先端にある)ギザギザの突起を研磨して、樹脂パネルでも滑れるように研磨して加工して」

氷に食い込ませる靴先のギザギザは、ここでは必要ありません。

(一宮スポーツ文化センター 田上茂総括責任者)
「皆さんの笑顔が見られて、良いかなと思う」

「いちみんリンク」は1月29日までの土日を中心に、大人同伴で未就学児から小学3年生までの子どもが利用可能。時間は1回50分で300円ですが、1時間1000円で部屋の貸し切りが可能な日もあり、その場合、大人も利用できます。

詳しい日程は「一宮スポーツ文化センター」のホームページでご確認下さい。外は寒くても「全然寒くない」一宮市の「エコリンク」のお話でした。