名古屋城天守閣の木造復元事業で名古屋市が昇降機を導入する方針を巡り「2階までの設置」とする河村市長の発言について、障害者団体などが発言の撤回を要望しました。
きょう(7日)、名古屋市の担当者のもとを訪れた愛知県の障害者団体。河村市長の「ある発言」の撤回を求めて要望書を提出しました。

(柳原康来さん)
「多くの障害者に対する人権侵害であり、エレベーター設置を求める意見を踏みにじる内容で、到底承服できるものではありません」
名古屋城天守閣の木造復元事業を巡り、障害者団体などは復元する名古屋城にはエレベーターの設置をお願いしたいと言ってきました。

ところが、河村市長は忠実な復元に影響を及ぼすなどとして難色を示し、意見が対立。

そこで市は、車椅子でも各階を行き来できる技術を公募、車椅子の利用者と介助者の2人が使える「昇降機」を導入する方針を示しました。おととい(5日)の会見で河村市長は…。

(名古屋市 河村たかし市長)
「歴史的事実を再現するという本質的部分については変更しない。(昇降機導入は)合理的配慮と十分言えるのではないか」
このように市長のエレベーター設置に反対の考えは変わらず、1階と2階を行き来できる昇降機の設置は「合理的配慮と十分言える」と話すとともに、3階以上には「昇降機」を設置しない考えを示しました。

これについて障害者団体は7日「時代の流れと逆行している」として発言の撤回を求めて要望書を提出しました。
(辻直哉さん)
「名古屋城だけ時計の針を逆に回すようなやり方。私は本当に許せない。市長という公の立場であれば、誰もが住みやすい差別のない社会を目指す。これを発信してほしい」
この要望を受けて河村市長は…。

(名古屋市 河村たかし市長)
「名古屋城の天守は国宝一号だった。空襲で燃えてしまったが。そういう建物を(図面通りに)復元して残して次の1000年は大事にしようと。50年から100年で、もう一度国宝にしようと。私の仕事だと思っているんだけど。そんなの変更できないですよ」