名もなき道に存在した廃隧道を探索!

続いては、石井さんが最近地形図で見つけたという、名もなき道に記された隧道へ。昭和31年測量の地形図と現在の地図と比較すると、今とは別の場所に道があり、隧道の坑口を表す地図記号も描かれています。

独自に調べるも情報が少なく、今も隧道が残されているのか不明のため、調査したいとのこと。まずは、目的の廃隧道の後に造られたと思われる隧道へ向かいます。

(道マニア・石井あつこさん)
「ここは『西大谷(にしおおや)隧道』」

現在の地形図に昭和31年の地形図を照らし合わせてみると、目的の廃隧道は西大谷隧道の北側を走る県道251号沿いに位置しています。西大谷隧道と廃隧道は両方とも東西に往来する道で役割が同じため、新旧の関係にあると石井さんは考察。

「斜面を登っていったら、路盤が見えるかも」と山中の廃道を探してみるも、「無いね、道。歩けるけど、まだ道とは言えない」。一帯を入念に探索するも道は見つからず、道の痕跡も見つけることができません。

真相を確かめるべく、地元の住民へ聞き込みをすることに。探索場所の周辺に山を所有している方によると、隧道は確かにあったそうですが、65年前には崩落し、穴がふさがれ通れなかったとのこと。その隧道は100年以上前、山芋を掘りに行くために使われていたようですが、隧道の名前は聞いたことはないそうです。

また、西大谷隧道の銘板には昭和51年竣工とありますが、それは改修工事した年なのだそう。かつては素掘り隧道で、約75年前には使われていたと言います。

CBCテレビ「道との遭遇」2025年3月11日(火)午後11時56分放送より