「長良川に並行して何キロも水路を引いている」

(一般の男性)
「え~!?川じゃん!」
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「ここは水路橋。この近くにある発電所が水路式なので、長良川に並行して何キロも水路を引いている」
このアーチ橋は上に水が流れる水路橋で、すぐ近くにある長良川水力発電所まで水を運んでいます。

川で取水し、水平に造られた水路で水を運び、発電所の手前で一気に水を落とす「水路式」と言われる発電方法。こうすることで落差ができ、勢いよく水を落とせるので、効率よく発電することができるそう。
長良川水力発電所ができたのは明治43年。それと同時期にこの水路橋も造られ、どちらも登録有形文化財に指定されています。「湯之洞谷水路橋」と呼ばれ、文化財になるまでは日常的に使われていた道だったとのことです。
中で二股に分岐する不思議なトンネル

続いて訪れたのは、岐阜県八百津町。鹿取さんとっておきの道へ向かいます。県道358号を進み、木曽川の近くを通るトンネルを走行していると…
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「トンネルの中に分岐がある」
コンクリート製で一般的なトンネルのように見えますが、天井が高く、トンネル内で二股に分かれている不思議な構造をしています。2人はトンネル内を歩いて、じっくり観察することに。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「名称は定かではないが、『蘇水峡橋』と連続しているので『蘇水峡トンネル』と呼ばれている」

「蘇水峡トンネル」は中で二股に分岐し、一つはその先の木曽川に架かる「蘇水峡橋」と繋がっており、もう一つは木曽川沿いにある丸山発電所へと続いています。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「このトンネルは丸山ダムを造る時の、建設資材を運ぶためのルートだった。もともと鉄道が走っていたので天井も高い」
昭和28年、丸山ダムを造る際に必要な機材などを運ぶため、電力会社によって鉄道専用のルートが造られ、トンネルも使われていました。
昭和29年に丸山発電所が完成した後、丸山ダムに繋がるルートは県道に移管され、丸山発電所への道は封鎖に。現在は、発電所に行くための関係者専用道路として使われています。
2024年5月28日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より