三重県桑名市の多度大社でおととし5月に行われた「上げ馬神事」で馬に暴力的な行為をしたなどとして書類送検された神事関係者12人について、津地検はきょう付で全員を不起訴処分としました。

警察などによりますと、「上げ馬神事」の神事関係者12人は、おととし5月に行われた「上げ馬神事」で馬に上げ坂を上らせたり、暴力的な行為をした動物愛護法違反の疑いで去年9月に書類送検されていました。

上げ馬神事は、高さおよそ2メートルの土壁を乗り越えた回数で農作物の豊作、凶作などを占う伝統行事ですが、おととしの神事で脚を骨折した馬1頭が殺処分されたことなどから、動物虐待にあたるとの批判があがっていて、去年の神事は、土壁をなくすなどの対応をとったうえで行われ、人と馬それぞれにけがはありませんでした。

津地検は、書類送検された12人のうち11人については「関係各証拠を精査した結果、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分だった」として不起訴処分とし、もう1人についても被疑者死亡として不起訴処分としています。