売り上げ10倍以上に “下請け”からの脱却図る企業も
「下請け」からの脱却を図る企業もあります。愛知県清洲市の運送会社「ミライノ」。元々、大手運送会社からの依頼で荷物を運ぶ、下請け企業でした。
(ミライノ 橋本憲佳社長)
「当時(約15年前)は赤字だった。静岡の東部に配送する場合は、夜に出発するとか朝の2時に出発して下道で走らないと朝の9時に間に合わせることができない。運賃の交渉に応じてもらうこともなかなか難しかった」

物流業界でも「価格交渉」は大きな課題です。名古屋商工会議所の調査では、「価格転嫁」「賃上げ」についてはともに6割以上の企業が「今後対応すべき課題」としています。
ミライノは、およそ15年前から、運ぶ荷物を荷主との直接取引に絞ることを決めました。単価が上がったことに加え、運行範囲は東海3県がほとんどになり、長距離や深夜の運転は大幅に減りました。
(勤続約30年のドライバー 宮本輝雄さん)
「(以前は)14時間勤務とか。夜中に出て配達して帰ってきて次の日の荷物を積むと結構な時間になる」
Q.給料は?
「今の方が全然良い。体的には(今の方が)楽」

さらに、運送だけでなく、ラッピングトラックによる広告収入など、新しい収入源の開拓にも力を入れています。売り上げは10倍以上に伸び、賃上げやボーナスの原資になっています。
(ミライノ 橋本憲佳社長)
「同じ時間の中で、付加価値のある業務をしてそこで対価をいただく、その分を社員に還元できれば、もう少し、もっと昇給できると考えている」
