名古屋市教育委員会は、金品を受け取っていた人事部門のトップを、教員ではない一般職員に変える人事改革を行いましたが、問題についての対応はこれで十分なのか、キーマンを直撃しました。

名古屋市教育委員会による不可解な「名簿とカネ」の問題。
教育委員会には毎年、小中学校の「校長会」や、教員の出身大学の「同窓団体」、担当教科の「研究会」など、約70の教員団体から、校長などに推薦する教員の名簿とともに、毎年150万円から200万円ほどの現金や商品券が渡っていました。
この問題が明るみに出たのはことし2月。
調査している専門家チームは名簿、金品ともに「不適切」と認定したうえで、その背景について…
(調査チーム座長 京都芸術大学 寺脇研教授)
「教員の一枚岩度が高い」
「教員団体と人事権者との癒着と映らないか」という問題意識が欠落していた、と指摘しました。

名簿と金品を受け取っていた名古屋市教委の教員人事担当者は、これまで全員が教員出身者。
教員同士の「なれ合い」によって人事の公平性がゆがめられた恐れがあることから、この4月から、人事の責任者である教職員課長に初めて教員出身者ではない一般の職員が就くことになりました。
(名古屋市教育委員会 教職員課 伊藤孝直課長)
「教員出身者のみで学校人事が行われてきた。行政が介入して力が発揮できる体制が組めていなかった。透明・公正な人事を進めたい」
名簿や金品は今後一切受け取らず、公平な人事に努めると話しますが、名古屋市教委の小中学校の人事担当者12人のうち、伊藤新課長をのぞく11人は依然、教員出身者です。
ほかの都市の人事担当のメンバーを見ると、東京都、大阪市、札幌市は一般の職員と教員出身者がほぼ半々です。

自分だけが教員出身ではない名古屋市教委の伊藤課長に、このままの布陣でいいと思うのかを聞くと…
(名古屋市教育委員会 教職員課 伊藤孝直課長)
「教職員人事の中に行政(一般)職員が、具体的な事務レベルまで関わることも必要」
今後は課長だけでなく、現場の人事担当者に一般の職員を充てることも検討するということです。










