同居する元夫を何度も包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われている女の裁判員裁判。被告の女は、「背中を10回くらい刺して、ビールジョッキで頭を殴った」などと述べた一方で、元夫を殺したいと思ったことはなく、「気が付いたら刺していた」と話しました。
2人に何があったのでしょうか。

殺人の罪に問われているのは、鳥取県米子市の無職の女(50)で、起訴状などによりますと2021年5月25日の夕方、自宅で、同居していた当時64歳の元夫の背中などを何度も包丁で刺すなどして殺害したとされています。

11月7日の初公判では、被告は起訴内容について「私のしたことで元夫が亡くなったことに間違いはありません」と認めました。

弁護側は、被告が幼少期に家族から受けた持続的・反復的なトラウマ体験などが原因で「複雑性PTSD」を発症したとし、犯行時は、自分の意思では犯行を思いとどまれない心神喪失、もしくは自分の意思で思いとどまることが極めて困難な心神耗弱の状態だったとして、無罪や刑の減刑を主張。

一方、検察側は、精神障害の影響は著しいものでなく、犯行を思いとどまることが困難な程度には至っておらず完全責任能力があると主張し、裁判は、責任能力や殺意の有無が争点となっています。