2021年、鳥取県米子市内の高校で野球部の練習中、ピッチング練習をしていた投手の投げたボールが、他の部員の右眼に直撃し、失明に近い障害を負う事故がありました。

10日、被害を受けた本人らが、鳥取県高等学校野球連盟に対して、再発防止の徹底を求め申入書を提出しました。

高橋真一 代理人弁護士 
(本人コメント代読)
「他の人には自分と同じ思いをしてほしくない。二度と今回のような事故が起こらないよう、自分の事故を生かして今後、安全な環境作りに役立てて欲しい。」

2021年3月27日、米子北高等学校のグラウンドで、野球部の練習中に発生した事故。当時高校2年生の野球部員が、ティーバッティングをしていた際、近くでピッチング練習をしていた投手のボールが、右眼を直撃しました。

その後、右眼の視力は著しく低下し、失明に等しい障害を負ったということです。

当時、被害生徒と投手の距離は27メートルで、投げた球の速さは100キロ近く出ていたとみられるということです。被害生徒の周りには、防護ネットなどはありませんでした。

この事故の約2週間前にも、バッティング練習でトスを上げていた生徒にバッターの打ったボールが直撃する事故が起きていました。

障害を負った本人と家族らは、10日、鳥取県高等学校野球連盟に対し、事故の再発防止と野球部活動中における安全配慮について、指導を徹底するよう要望書を手渡しました。

代理人弁護士によりますと、今年6月、学校長のほか、当時の野球部の部長と監督が、障害を負った野球部員に対して直接謝罪を行ったということです。

そして、学校側が障害を負った野球部員に対して、損害賠償金を支払う旨の合意が10日に成立しましたが、当然の予防策が施されていれば防げたはずの事故を2度と起こさないよう、高野連への申し入れと事故の公表に至ったとしています。