閉店が予定されるJA鳥取いなば系のスーパー「トスク」の引き継ぎについて、交渉相手とされた東宝企業は11日、本店以外の郡部の店舗も含め6店舗全てについて引き継ぎを断念すると発表しました。
鳥取県東部のスーパー「トスク」については、親会社のJA鳥取いなばが9店舗全ての閉店の意向を示し、このうち本店など6店舗は、県中部でスーパーを展開する東宝企業に引き継ぐ方向で覚書を結んでいました。
しかし7月7日、JA鳥取いなばが、鳥取市内にある本店について東宝企業への引き継ぎを断念すると発表しました。
東宝企業は11日の発表で、JA鳥取いなばから7月10日に、本店以外の店舗についても他社を引き継ぎ先として交渉を始めるとする通知書が届いたことを明かし、東宝企業として6店舗全ての引き継ぎを断念せざるを得ないとの結論に至ったとしています。
物流の拠点となる鳥取市内の本店抜きで郡部店舗を運営することが困難な点などが理由ですが、JA鳥取いなばが本店の土地を他社に譲渡することを検討していたのではないかと不信感も示していて、JA鳥取いなば側が次の対応策をとる時間を確保するためにも早急に断念の結論を出したとしています。
特に若桜店については、若桜町が土地建物を取得する公設民営方式を進めていることから、引き継ぎ断念をお詫びしたとしています。
なお、同じく閉店が予定される県中部のAコープの引き継ぎについて、東宝企業は予定通り進めているとしています。
一方、JA鳥取いなばによりますと、郡部の店舗の今後の交渉について書面で回答がほしい旨の文書は送付したが、他社を引き継ぎ先とする交渉を開始する旨の通知書は送っていないということです。
また11日、東宝企業側から、本店を引き継げないので郡部店舗の持続的な運営は困難であるとして、郡部店舗については交渉しないという書面が届いたということです。
鳥取県 平井伸治知事
「残念と言えば残念だが、住民サービスは無視できない」
事態を受け鳥取県は、緊急の情報連絡会議を開き、引き続き、市と町、JA鳥取いなばと連携して、よりよい解決策を探っていくことを確認しました。