卒業式のおよそ1か月前。
「こんにちはー。ご無沙汰してますー。失礼しますー」
光さんの自宅を訪れたのは、大阪府在住のファッションデザイナーの城村ゆう子さん。
この日は、光さんが卒業式で着る制作途中の着物をもって松江市を訪れました。
ファッションデザイナー 城村ゆう子 さん
「どっちがいいですか、光さん的に。このままいくのか…」

通常の着物だと体への負担が大きいため、着脱しやすいように上下は別々に。
ズボンにはゴムを入れたり、普段、光さんの体を固定しているベルトには、帯を付けられるようにしました。
これまで数々のCMやドラマ、コンサートなどの衣装を手掛けてきた城村さんですが、
本格的に障害者の衣装制作に携わるのは今回が初めて。
松江市の市民団体からのオファーがきっかけでした。
ファッションデザイナー 城村ゆう子 さん
「ボランティアというか、プレゼントさせていただくという形で、私自身2人息子がいるが、大きくなって成人したので、そういう方(障害者)に自分のスキルを使ってできることをしていきたい。」
障害があってもオシャレを楽しめる世界にひとつだけの"オートクチュール"。
これまで様々な衣装を手掛けてきた城村さんだからこそ作れる着物です。

藤村光 さん
「私の好きな色がグリーンだったので、グリーンの着物がいいなってお伝えして。想像してた以上に素敵でびっくりしている。」
迎えた卒業式当日。
城村さん、そして母・祐子さんに見守られながら、光さんは無事卒業式を終えました。

母 藤村祐子 さん
「色んな思いがこみ上げてきて、本当にこんな日が迎えられるなんて、本当に幸せです。」
ファッションデザイナー 城村ゆう子 さん
「ほっとしました。こういうハレの舞台に着てもらえて、私もすごく嬉しかったし、しっかりしたお嬢さんで、母の気持ちになって泣いてしまいました。」