同じ市内の成徳小学校との統合により、149年の歴史に幕を下ろす鳥取県倉吉市の灘手小学校で19日、閉校式が行われました。
統合後の校名問題で揺れた灘手小。
様々な声がある中ですが、多くの児童に愛されたその歴史は変わることはありません。

灘手小学校 長柄香凜さん
「灘手小学校が閉校してしまうと思うと、私はとても寂しい気持ちでいっぱいです」

19日、灘手小で行われた閉校式。
校旗の返納や記念プレートの披露、そして、最後の校歌斉唱が行われました。

灘手小の前身、谷学校・上神学校は1873年に開校。これまで1707人の卒業生を送り出してきました。

しかし、児童数の減少に伴い、灘手小は3月末で閉校し市内の成徳小と統合することに。新たな学校が4月に誕生し、灘手小の児童もそこに通うことになります。

灘手小の児童
「寂しいです」
灘手小の児童
「灘手小学校なくなっちゃうのは悲しいけど、新しい生活に一歩踏み出してみたい」 

卒業生もまた「灘手」との別れを惜しみます。

卒業生(80代)
「寂しいですね。自分が育った学校がなくなるというのは、本当に。なんか親と別れるような気がする」

一方、統合後の校名を巡っては、ごたごたがありました。

一旦新たな学校の名前として決まった「至誠」が白紙になり、新しい案として「打吹至誠」が浮上するも、倉吉市議会で修正動議が可決され「成徳」で決定したのです。

そもそも統合準備委員会では、今の学校名は1文字も使わないというルールがあっただけに、未だ複雑な思いを抱える人もいます。

灘手小の児童
「新しい学校になるのに、その前の小学校の名前を使うのは嫌です」

保護者
「ちょっと大人の思いの方が先行しているのかなってところはあったんですけど、それとは別に、子どもたちを一番に考えたいなって思っていました」

しかし、だからといって149年の歴史が変わることはありません。

親子で灘手っ子だった男性は…。

卒業生(20代)
「あ!あったあった!これこれこれ!あったあったあったあったあった!自分のお父さんですね」

貼り出された集合写真から、小学生時代の父親の写真、そして、自分の写真を見つけ大興奮です。

卒業生(20代)
「やんちゃは色んなことしましたね。いっぱいケガもしましたし。先生にも怒られて、楽しい思いでしかないです。ありがとうございます」

灘手小学校、その歴史に幕を閉じますが、ここで過ごした多くの児童たちの心には残り続けます。