ムカッときた。
こんなにかわいがってるのに、こいつ何を言ってんだ。
自分の意志が弱いだけじゃないか。
あいつはその後、
「先生そういえばさ、駐車場行ったら先生の車真っ黒だった。明日起きたら先生の車ピカピカにしてやっからな」
僕のそばにいたかったんでしょう。
でも僕は一緒にいたくなかった。
嘘ついてだまして、あいつを追い払った。

「今日は駄目だ。山下公園のパトロール、神奈川県警と一緒。
警察と一緒のパトロールに生徒は連れて出られん、今日はもう帰れ」
真っ赤な嘘でした。
それでもまとわりつくマサフミを、夜10時に部屋から追い出した。
あいつ寂しそうに、トボトボと振り返り振り返り歩いて、15メートルぐらい離れたとき、ただ一言。















