「忘年会を11月中に実施してほしい」。
島根県知事の異例の呼びかけに対し、波紋が広がり始めています。飲食店の消費喚起策の意味合いもあるのですが、肝心の飲食店からは「無責任」「メリットない」との声も。
25日、島根県・丸山知事の記者会見で異例の呼びかけがありました。

島根県 丸山達也 知事
「忘年会を11月中に実施していただくなど、飲食店の利用を積極的に早期にご利用いただきたい」
新型コロナの新規感染が減少傾向にあることなどから、飲食店を利用した地域や職場の忘年会などを11月中に実施してほしいと呼びかけたのです。
県が発行するプレミアム飲食券の活用も訴え、コロナや原料価格高騰の影響を受ける飲食店の積極的な利用を促す狙いです。
11月の忘年会に、街の人は…

学生(20代)
「年末にやると人が多くなってしまうので、前倒しでやると分散されて良いのかなと思います」
会社員(50代)
「いいんじゃないすかね別に。12月に忘年会をやるのが一番雰囲気がありますけど、やっぱり感染が恐いので」
会社員(20代)
「シーズン的にも年末の方が調整しやすいと思うので、なかなか11月にやるのは難しいと思います」
忘年会が12月に集中すると感染再拡大のリスクもあることから、11月前倒しには賛成する声も多く聞かれました。
木谷茂樹 記者
「今年は会食制限のない忘年会シーズンがやってくるということで、飲食店からは期待の声も上がっています」

島根県安来市内の居酒屋では、さっそく11月早々にも展開する忘年会プランを作成中。知事の「忘年会前倒し」発言は追い風だと話します。
かばはうすホールディングス 永田光 本部長
「率直に大歓迎。本当にありがたいです。実際は12月開催が多いとは思いますが、感染が広がれば自粛されると思うので、早めにしていただけるのは大歓迎です」

最近は、徐々にグループでの利用も増え始めているとのこと。
忘年会プランでは小皿に盛り付け、1人分ずつ提供したりするなど感染対策を講じます。
かばはうすホールディングス 永田光 本部長
「まだまだ厳しいと思うところはあるので、せっかく知事が忘年会前倒しを言っていただけたということで、少ない人数でも良いので、出てもらえたら良いなと思っています」
一方で、忘年会の11月実施呼びかけに、困惑する飲食店もあります。
ブロックスインダストリー 門脇義明 社長
「第一印象で言うと、ちょっと身勝手な無責任なことを言っておられるなと。弊社としては11月に前倒しして忘年会入ったところで、特にメリットがあるわけでもないです」