サクラの名所に異変です。
鳥取県鳥取市のサクラの名所「久松公園」にあるサクラの葉が今、ふちの方からどんどん枯れてしまっていて、中には葉が落ちてしまっている木も出ています。
なぜ突然枯れ始めたのか…意外な原因がありました。

春には大勢の花見客でにぎわう鳥取県鳥取市のサクラの名所、久松公園。
ここで今、異変が…


日野彰紀 記者
「サクラの名所として知られる久松山の一角ですが、このように葉っぱが半分茶色くなったりしています」


葉っぱが半分枯れたようになっていたのは、擬宝珠橋などがある、お堀端の道路沿いのサクラです。
葉っぱがふちの方から茶色く枯れているもの、別の木ではほとんど葉が落ちてしまっています。


広葉樹のサクラは、条件が良ければ赤や黄色に色付くものですが、このサクラにはそんな気配はありません。


なぜ突然枯れ始めたのでしょうか。
現地で確認していただいた樹木医の先生によると…

樹木医 吉岡武雄さん
「先だっての台風ですね、2回来ました。かなり強い風が吹きまして、それで葉っぱが揉まれて傷んだというのが1つです」

原因はなんと、9月に山陰を襲った台風だというのです。

樹木医 吉岡武雄さん
「風によって吹き上げられた塩が葉っぱに付着することによって、葉っぱの周りが傷んでいるのに塩が当たったというのが、もう1つの原因だと思います」

9月に台風14号が山陰地方を直撃した後日、鳥取島根両県では、電線から火花が出たとする消防への通報が相次ぎました。

塩害により火花が出た電線(島根県松江市・9月)


日本海の海水を巻き上げ、塩水を含んだ台風の北風が、山陰へ吹き付けたことで発生した「塩害」です。

今回のサクラも、強風で揉まれて痛んだ葉のふちに、塩水を含んだ風が吹きつけたため枯れた、まさに「塩害」に遭ったというわけです。

葉っぱが落ちてしまっている木は、こうした条件に加えて老木になっているからということです。


こうなると、サクラの名所で気になるのは、「春にちゃんと花が咲くのか」ということですが…。

樹木医 吉岡武雄さん
「心配はいらないと、太鼓判を押すほどではないですが、まあサクラは咲くでしょうということですね」


思わぬ形で影響が広がる台風の風と塩。
ただ来春のサクラは大丈夫と聞いて、まずはひと安心です。