「再現美容師」という資格をご存知でしょうか。
全国でわずか43人という「再現美容師」の資格を4月、鳥取県米子市のヘアサロンのオーナーが、取得しました。
一体どのような美容師なのでしょうか。

鳥取県米子市でヘアサロンを営む北喬子さん(39)。
北さんが4月に取得した資格が…


フィアクレー・ヘアーデザイン 北喬子 店長
「再現美容師ですね」

再現美容師。
専用の医療用ウィッグ「ヘアエピテーゼ」にカットなどを施し、髪の毛が抜けたがん患者が希望するヘアスタイルに近づける、まさに「再現」する美容師です。

日本ヘアエピテーゼ協会で施術やがんについて学んだ美容師を対象に協会が資格認定していて、資格所得者は10月3日現在、全国で43人ほどです。


再現美容師 北喬子さん
「こちらがエピテーゼ協会のウィッグになります」

一見普通のウィッグのようですが、そこには大きな違いが。


日本ヘアエピテーゼ協会 事務局 丸子三千代 さん
「1番の違いは、テカリですね。光線によって、マネキンのように髪がテカってしまうと、すぐにウィッグと分かってしまうので、その点エピテーゼは糸から厳選して作っているので、自然の髪の色に近いもの、髪の素材に近いもので作られています」


ただ、形はいかにも「かつら」。これに「再現」の技を施していきます。

再現美容師 北喬子さん
「前髪の下のラインに産毛があったりされる方ってすごく多いんですけど、そこの部分も髪が生えている状態になっているんです。それをいかにカットでそぎ落として産毛にしていくか」

2枚の写真。
1枚は脱毛する前の髪型で、もう1枚は脱毛後に再現美容師が元の髪型を再現した姿、つまりウィッグです。
比べてみると、再現度が非常に高いことがよく分かります。


北さんが資格を取得したきっかけ。
それは、常連の女性客ががんになり、店に久しぶりに訪れた時のことでした。

再現美容師 北喬子さん
「来られた時に髪がパラパラっと抜けている状態だったので、ベリーショートとかになるのかなという単純な考えでカットに入らせてもらったんですけど、実際はドサッと抜けちゃう。ただ言われることをやるんですけど、知識がないので、思い描いている自分の形にはならなかったんです」