胸部X線画像に表れた異常を、人工知能・AIが強調して見せることで見落としを少なくするシステムを鳥取県保健事業団が導入し、検診の精度アップに繋がると期待されています。
肺がんなどの早期発見のため検診などで撮影する胸部X線画像は、医師がよく見て異常を見つけ出しますが、判断には専門性が必要で見落とされるケースも出ています。
そこで鳥取県保健事業団が2000万円以上かけて導入したのが、富士フイルム製のCXR−AIDシステム、10万件以上の実例を学習したAIが、異常と読み取った場合は
青から赤までの色と100点までのスコアで異常を強調して見せます。
その精度は専門医と同等のレベルとされ、検診の分野では中四国で初めて導入されました。
保健事業団では、AIでも見分けられない限界があることも考慮に入れ、AIは補助手段、最終判断は医師とルール化した上で活用しています。
鳥取県保健事業団西部健康管理センター 中村廣繁参与(鳥取大学名誉教授)
「私達(医師)が見つけた異常陰影が本当にそうかどうかということをAIが確信度をもって教えてくれて、見落としの防止につながると考えています。」
鳥取県保健事業団では、今年9月の検診からこのシステムを活用していて、年間10万件に及ぶ検診の精度を上げ、肺がんなどの見落としを少なくするとともに、見つかった異常の精密検査などをきちんと受けるよう呼び掛けています。