台風11号が山陰地方に大きな影響を与えた6日、正午前に島根県浜田市で撮影された下府川の画像です。
向かって右側が下流ですが、川の水は上流へ向かって勢いよく逆流しているのが分かります。

このとき、一体何が起きていたのでしょうか。
水文気象学の専門家に話を聞ききました。

島根大学 エスチュアリー研究センター 矢島啓 教授
「これは高潮の一種ということになります。台風が近づくとどういうことが起こるのか。台風というのは低気圧ですよね。言い換えると空気の重さなんです。海にとっては重しが取れるんです。だから海面が上がっていく。それプラス強い風が吹いてきますので水が吹き寄せられるということで、2つの効果で海岸の水位が上がっていきます。それで風自身が波を起こすということで、高くなった潮位の海側から河川に向かって、どんどん波が押し寄せていく、これが高潮ということです」

矢島教授は、当時のデータも示しながら、次のように解説します。
島根大学 エスチュアリー研究センター 矢島啓 教授
「この当時のデータを見ますと、通常の潮位よりも50センチ以上は高い、かなり海の潮位が高い時期でしたので、通常は川の上流から下流に水が流れるのが、今回の場合、海の方から川の方に向かって流れる現象に伴って、海の波もそのまま川の上流に向かって流れていったと考えれます」

下府川では、7日午前もこうした逆流が見られました。