試合の日、玉川さんはスタジアムに入ると、まずピッチの状態を確認する。

芝の長さや硬さ、前日の雨の影響。
見ているのは景色ではなく、“選手の足元”だ。

その日のコンディションによって、スパイクのスタッド(底の突起)の長さや種類を変える必要がある。

「芝が長いのか、少し柔らかいのか。そういうところを見て、選手に『今日はこっちの方がいいかもしれないですね』と伝えることもあります」

ほんの数ミリの違いでも、プレーの感覚は変わる。

走り出し、踏ん張り、ターン。
そのすべてを支えているのが、足元の準備だ。

表に立つのは選手。
歓声を浴びるのも、結果を背負うのも選手。

けれど、その足元を支える人がいる。
見えない場所で、勝負はもう始まっている。