新潟県内では過去最多となる6人が立候補した上越市長選が26日に行われ、新人の元外交官・小菅淳一さんが初当選しました。

そもそもなぜ6人もの候補が名乗りを上げたのか?
その発端には、現職の問題発言があったようです。

26日に投開票が行われた上越市長選では新人の小菅淳一さんが2万4039票を獲得。
次点の風間直樹さんに4000票余りの差をつけ、初当選を果たしました。

投票率は56.63%で、2005年の合併以来、最低でした。

外交官で培った交渉力などをアピールし、産業振興や子育て支援などを訴えた小菅さんは7月に上越市内に引っ越したばかり。選挙の準備期間はわずか数カ月でした。

【初当選 小菅淳一氏】
「全くの無名の知名度のない私でしたから、それをここまで押し上げていただいて本当に感謝のみです。もうそれは私の力を超えて、本当に皆さんがいろいろやっていただいた」

小菅さんを支えたのは、新潟県議や17人の上越市議や選対本部長を務めた村山秀幸元市長たち。

地元の業界団体の推薦も得て、盤石な態勢で組織票を積み上げました。

【元上越市長 村山秀幸 選対本部長】
「保守も革新もなく、市民の皆さんから選んでもらおうという思いで続けてきました。やはり3か月というのは、大きな選挙するときには難しいなと思いましたし、また候補が“6人も出る”というようなことがあって、少し経験したことのない選挙だった…」

新潟県内の市長選では過去最多となる6人が立候補した今回の上越市長選。

候補の一本化ができなかったことについて、小菅さんを応援していた自民党の楡井辰雄新潟県議はこう話します。

「現市長さんもいいところもあるけれど、失敗するところもある。それに対して『俺もなって立て直してみよう』という、今は動乱というか混乱期というか。そんな時代じゃないのかな」

6人が出馬した背景にあるのは、中川幹太市長の失言だといいます。

2024年の市議会で、「工場で働いているのは高校卒業レベルの人で、頭のいい人だけが来るわけではない」などと発言。

さらに2025年7月には、兵庫県三田市で食べたコメを「まずい」と発言し、2度にわたって不信任決議案が提出されました。

そのようななかで、市政の立て直しを決意する候補が多かったことなどから、候補者の一本化が難しかったということです。

中川幹太さんは、自身の問題発言についてはこう話します。

「影響はあったと思います。中には、握手を拒まれる人も何人かいました」

選挙中、市民からは中川氏に対してこうした声も聞かれました。
「(選挙に)受かったらしゃべらない方がいいよ」

【中川幹太氏】
「しゃべらないと伝わらないですけど…」

課題の知名度不足を組織力で支えられて初当選した小菅さんは、市政への思いをこう話しています。

「霞が関で41年働きました。その交渉力とか人脈を生かしたいと思いますし、いろんな世界の人々の暮らしを見てきました。その中からヒントを得て、上越市が、一番世界で住みやすい、一番輝く街にしたい」

今後の上越市政はどうなっていくのか。
小菅さんは11月9日に新市長に就任します。