きょう9月13日は、青森市出身の世界的な板画家、棟方志功の47回目の命日です。志功が眠る青森市の霊園では関係者が墓前で手を合わせて偲びました。
棟方志功が愛したベートーベンの交響曲第九番が流れる中、47回目の命日を迎えました。青森市の三内霊園にある志功の墓は芸術活動に影響を受けたゴッホの墓と同じ形につくられ、「静眠碑(せいみんひ)」と名付けられています。13日は棟方志功記念館の職員たち9人が墓前で静かに手を合わせ、小野次郎(おの・じろう)館長がある報告を行いました。
※棟方志功記念館 小野次郎 館長
「記念館は来年度一杯で閉じることになりました」
板画家として国内外から高い評価を受け、青森県人として初めて文化勲章を受賞した志功。その功績をたたえたのが1975年に開館した棟方志功記念館でした。開館を見届ける前に、志功は72年の生涯を閉じましたが、記念館には「1点1点をじっくり見てほしい」という志功の思いが反映されています。
※棟方志功記念館 小野次郎 館長
「庭も建物も一体で棟方に触れたという喜びを持って帰っていく。そういう言葉をよく聞いた」
志功の作品、2000点を所蔵する記念館には、2003年度、年間6万6000人が訪れましたが、2020年度からはコロナ禍により入館者数が1万人を割り込みました。加えて施設の老朽化も重なり、来年度末で閉館が決定しました。毎年、命日に無料で開放される記念館には、閉館を惜しむ声が溢れていました。
※来館者は
「見たことないです。きょう初めて来ました。(閉館は)もったいないですね」
「美術館に移っても今のような形で作品全体を見られるようであればいいんじゃないですかね」
「志功さんの作品のためには(美術館で)一貫して保管してもらうのがいいのだけど、全体の様子を観光客に来てもらい感じてもらうためには良い場所だった」
志功の墓には妻チヤの名前と共に永遠に生き続けるという意味を込めて無限大のマークが刻まれています。記念館は閉館するものの志功の作品は青森県立美術館に移され、これからも展示されます。