夏の高校野球富山大会、注目校を紹介するシリーズ「球児の夏とやま2022」。3回目は、今大会優勝争いの軸になる富山第一です。春に敗れた悔しさをこの夏にぶつけます。
6年ぶり3回目の甲子園出場を目指す富山第一。ことしは守備からリズムをつくり攻撃につなぐチームです。
その要となるのが自慢の4人の投手陣。先発、中継ぎ、抑え。誰がどの役割にまわっても安定感抜群で、堅い守備から試合の流れを呼び込みます。
中でも注目はエースの小林路春投手。マックス145キロのストレートと、キレのいいスライダーが武器でプロも注目する本格派右腕。
しかし、小林投手には忘れられない試合がありました。
春の県大会の決勝戦。この試合、先発マウンドにあがった小林投手は、延長10回まで12個の三振を奪い、無失点の好投をみせていましたが、11回。2つのデッドボールから失点を許し、春の連覇を逃しました。
小林路春 選手:
「反省点といえば最後まで勝ちきれなかったことです。収穫だったのはその一つのボールで流れが変わるとわかったことです」

だからこそ、ひとつのプレーを大切に。その悔しさをバネに、チームのスローガンを「一人一役、全員主役」と掲げ、この夏に向けて練習を重ねてきました。

菊池謙伸 主将:「全員野球であったり、一つのボールに対して全員で食らいつく姿勢っていうのはどこにも負けないと思います」

また、この春から自主性を重んじる富山第一OBの野口仁監督が新たに就任し、練習メニューは自分たちで考えるようになりました。
取材した日は、水曜恒例のシートバッティング。
監督は一言も発することなく、選手たちが状況に応じて何をすべきか判断し、実践できるかを試します。
野口 仁 監督:
「自分たちで判断できる。それを行動に移せるっていうところを野球を通じて学ぶ。そこらへんもしっかりやってきたかなと思います」
毎年全国で勝つことを目標に掲げチーム作りを進めていますが、ここ5年間、夏の甲子園から遠ざかっている富山第一。チームの部員40人が主役として輝けるように…。
ひとりひとりが全力プレーで夏制覇を目指します。
小林路春 選手:
「目標はこのチームでしっかりまずは富山のテッペンをとることです」
菊池謙伸 選手:
「全員ひとつになって絶対甲子園にいきたいと思ってます」
