円安やコロナからの回復を追い風に、去年1年間の農林水産物や食品の輸出額は1兆4500億円を超えて、11年連続で過去最高を更新しました。

農林水産省によりますと、去年1年間の農林水産物や食品の輸出額は、おととしより407億円増えて、1兆4547億円となりました。11年連続で過去最高を更新していて、輸出額が1兆円を超えるのは3年連続です。

多くの国で新型コロナの感染拡大が落ち着き、外出の機会が戻ったことに加え、急速に進んだ円安も数字を押し上げました。

品目別で輸出額が最も増えたのは「真珠」で、おととしより218億円増えて、455億円でした。

一方、東京電力・福島第一原発の処理水の放出に反対する中国が、去年8月から日本の水産物の輸入を全面的に停止した影響で、下半期は水産物の輸出が落ち込んだことから、「ホタテ貝」の輸出額はおととしより222億円減って688億円となっています。

政府は、農林水産物や食品の輸出額を2025年までに2兆円に増やすことを目指していて、農林水産省は目標の達成に向けて「まだ諦める状況ではない」と説明しています。