平均台の幅10cmに舞い降りたニューヒロイン・岡村真(18、おかむら・まな)。現在は地元・三重県の学校に通う高校3年生だ。
そんな彼女が戦うのは平均台は高さ1メートル25センチ、幅10センチ。幅はハガキの横幅と同じサイズであり、その上空で緻密な体のコントロールが求められる。
去年、パリ五輪へ向け女子体操陣が躍進した。2021年東京五輪の団体戦メンバーが全員引退し、世代交代したメンバーで挑んだ2023年アジア大会杭州では2010年広州大会以来となる3大会ぶりの団体の銀メダルに貢献。個人総合では銀メダル、種目別平均台で金メダルを獲得した。アジア大会個人総合では2010年の広州大会の田中理恵・銅メダル以来の表彰台となり、銀メダルは日本女子初。種目別平均台の金メダルは日本女子史上初の快挙となった。一躍、メダル候補となった18歳の強さの要因に迫った。
取材では岡村自身の目線で見た映像を撮影した。僅かなズレが落下のリスクとなる幅10センチの平均台上において常人には恐怖しかない。
幅10センチの世界に舞い降りる岡村の代名詞ともいえる技が、側方宙返りから後方宙返りに繋げる手を使わない連続技となる。
わずかなズレが落下に繋がる平均台では第一に“まっすぐな回転”が高得点へのカギとなる。さらに岡村がもう一つ意識するのが足の指先までを意識した緻密な体のコントロールだ。

岡村真:
(足の)指先を掴む感じで着地するんですけど、上半身がブレるので足の指だけではなく体で台を捉える感じです。

7歳の時、2012年ロンドン五輪の内村航平・個人総合金メダル(16年リオデジャネイロ五輪も金メダルで連覇)の勇姿に憧れて始めた体操。大舞台で輝いていたキングのように岡村には叶えたい事がある。
岡村:
ロンドン五輪の内村選手に憧れて (私が)体操を始めたように、自分の体操で周りの人が 体操を始めるきっかけになったらとても嬉しいし、体操が楽しいっていうことを 広められたらいいなと思います。
体操のパリ五輪代表は5月のNHK杯を受けて決定される。
■岡村真(おかむら・まな)
2005年5月28日生 三重・暁高3年、相好体操クラブ所属
2022年度体操競技ナショナル選手に初選出される。初めての大舞台となった2023年アジア大会杭州で女子団体の3大会ぶりの銀メダルに貢献。個人総合では銀メダル、種目別平均台で金メダルを獲得した。アジア大会個人総合では2010年の広州大会の田中理恵・銅メダル以来の表彰台となり、銀メダルは日本女子初。種目別平均台の金メダルは日本女子史上初の快挙となった。趣味はユニークな靴下集めとお菓子作り。














