年が明けて早々、大きな災害、ショッキングな事故もありました。
いったいどんな年になるのか、不安の声も聞こえてきますが、「辰年」は株式相場では縁起のいい年だとされています。
今年の山口県経済はどうなるのか、経営者に、見通しと課題を聞いてきました。
山口県は、暖かく穏やかな年明けでした。
遠浅の海が広がる、写真撮影のスポットとして知られる宇部市のキワ・ラ・ビーチ。
鮮やかな太陽と、潮だまりに映り込む初日の光に、幻想的な雰囲気に包まれました。
山口市阿知須から
「ここに来たのは初めてだったけどすごいきれい、すごいよかった。健康に過ごせればいいなとお願いした」
コロナの5類移行後、はじめて迎える正月。
山口市の山口大神宮には多くの参拝客が訪れました。
「健康が第一ということで、元気に楽しく過ごせたらいいなと思います」
「ダンスを習っているからダンスをもっとうまくなりたい」
「野球をやっているのでホームラン打ちたいです」
新年に、さまざまな願いが込められました。
こんな願いも聞かれました。
「物も安くなってくれたらいいなと思いますね。卵も高いしなと思ったりします」
「うちの子どもたちも景気のいい会社に行っていないので、もっと景気がよくなって、発展できるとうれしいですね」
「私、旅行業をやっているものでたくさんの方が、いろんなところに旅行に行ったりできるような1年になればいいなと思います」
原材料価格の高騰、物価高が私たちの暮らしを直撃しています。
去年は1年を通じて株価が上昇し、1年で7000円以上、上がりました。
年末としては、バブル期以来の高値となりましたが、生活の上では実感は、得られにくいのが現状です。
「辰年」は相場の格言で「昇り竜のように大きく値上がりする」と言われる縁起のいい年だとされています。
経営者は、辰年の県内経済をどのように見通しているのでしょうか。
MIHORIグループ フジコーホールディングス藤井公社長
「コロナが終わって、外食産業はずっと上がってきたけど、ご存じのように、円安で食材がすごく高くなっている。それと人手が不足している。お店を出そうとしても、今出せない状況」
外食産業では、原価の上昇を価格に転嫁することが難しく、収益率が下がっていると現状を分析しました。
人手不足も深刻です。
今年の県内経済を見通す、キーワードを聞きました。
藤井さんが考えたのは・・・。
キーワード「人財採用」
MIHORIグループフジコーホールディングス藤井公社長
「『企業は人なり』です。「いい人をどれだけ採用して、教育をして、いい会社にするか。これに限ると思う」
建設業界から聞こえてきたのも、人材についての課題です。
技工団 作間悦次社長
「我々の1番の問題は人が足りないというところですから、そこをなんとか工夫してやっていかないとできないのかなと思います。いわゆる生産性を上げろといってそんなに簡単じゃないんだけど、そっちに向かっていくしかない。できることはなんでもやる」
建設業界自体のあり方も大きく変わってきています。
「昔の建設のイメージよりももっといろんな力が生産活動に必要なので。例えばICTの技術だとか、どちらかというと建設業界はICT不得意な人が多いので、そういう人に仲間になってもらってグループで生産活動をするとかそういうのは大いにありうる」
キーワードは、そうした現状を表した「変化」でした。
キーワード「変化」
技工団 作間悦次社長
「何もかも変化。お客様も変わっていくでしょうし、我々も変わっていかなきゃいけないでしょうし。昔の延長線上にはどうも生き残りはなさそうです」
コロナで大打撃を受けた観光業は、反転攻勢の1年です。
西の雅常盤 宮川和也社長
「(コロナ前の)2018年、19年レベルまでまだ戻ってはないんですが、ひとついいことはインバウンドがどんどん加速して日本に来ている。特に広島・福岡にどんどん来ているので、山口県にも今からどんどん来ていただきたいなと思っています」
県もアジア圏の旅行会社を招いて視察ツアーを行うなど、取り組みを強化していて、今後見込まれる中国の団体旅行解禁にも、期待は膨らみます。
宮川さんが選んだキーワードはシンプルに期待感を表したものでした。
西の雅常盤 宮川和也社長
『ネバーギブアップインバウンド誘致山口県GOGO!!』
生活協同組合「コープやまぐち」の岡崎さんは・・・。
生活協同組合コープやまぐち 岡崎悟会長
「小売りの世界で物価が上がっています。物価が上がるにつれて、賃金も上がってほしいし、それができれば、まだまだ山口県も活気ある、そういう経済を取り戻せるんじゃないかなという感じは去年思いましたね」
キーワードは「賃金UPと好循環」。
「循環」には2つの意味を込めました。

キーワード「賃金UP好循環を」
生活協同組合コープやまぐち 岡崎悟会長
「頑張っている職員の賃金を上げてあげたい、生活を楽にして、ゆとりがあればいい仕事がしてもらえる。そういう循環もほしいなと思っていて。去年、うちは頑張って賃上げした。今年は、うちもみんな中小企業がもっといい成績で賃金もアップして、経済が地域で金が回っていくようなそういう経済になってほしいなあと」
年明け早々、北陸地方を襲った地震の影響もあり、期待と不安が入り交じった2024年のスタート。
山口商工会議所の河野会頭は地方都市ならではの厳しさを感じています。
山口商工会議所 河野康志会頭
「世間で、報道で言われているように日本全体が盛り上がっているような感じはするかもしれないけど、地方都市の中小企業は内需型の産業が多いので円安による物価高はもろに来ている実態」
コロナ後に回復した消費も、多くが県外に流れて、地元での消費は伸び悩んでいるといいます。
円安による原材料価格の高騰、物価高も、中小企業の利益を圧迫しています。
キーワードに選んだのは・・・「地方への消費の回帰」
山口商工会議所 河野康志会頭
「リアルな消費を山口市内で行うということが、地域の経済にとってとても大事なことです。そこをちょっと考慮していただけると助かります。それぞれの地域によって地域の方が自分のお住まいの地域で消費をするということが経済の柱ですので、そこだけお願いしたいと思います」














