新年最初の日曜日、福岡市西区今津では毎年、法被姿の若衆たちが担いだ神輿が町内をまわる「十一日祭り」が開かれる。子供たちは山車を引いて町内を練り歩き、家々でお菓子のふるまいを受ける。7キロに渡って子供たちに同行したRKB毎日放送の神戸金史解説委員長が、16日に出演したRKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』で古くから伝わる新春の行事を伝えた。

◆福岡市指定の無形民俗文化財

福岡市西区今津で、まるでハロウィーンのような「十一日祭り」が開かれています。毎年1月の成人の日前後に行われていて、町内ごとに青年たちが小さな神輿を担いで町内を練り歩き、家々を訪れる無礼講の祭りです。浜辺で清めた海の砂「お潮井」を採って、「祝うたー、祝うたー」と言って配っていきます。子供たちは、博多人形を飾り付けた山車を曳き、町を練り歩きます。

この山車を曳いて歩く

男性:みんな、家に行く時は「祝うおうたー」やろ、分かっとう? 1人で行かんように。必ず2人以上で。
子供たち:祝うたー! 祝うたー! 祝うたー!
女性:はい、どうぞ。
子供:ありがとうございました!
子供:おいしいです!
神戸:楽しそうですね、みんな。
女性:そうですね、「今津のハロウィーン」と呼ばれています、ほかの地域から。
神戸:今津のハロウィーン!?
女性:はい、個々の地域でしかしていないので。今津でも。

◆♪矢櫓に矢射かけて、的矢の矢!♪

「今津のハロウィーン」に参加しているのは小学生で、数十人がそれぞれに「祝うた-」と言いながら家々に飛び込んで、町中を走り回っています。「今津」は、今津湾に面した農村地区で、古い地域です。祭りは福岡市指定の無形民俗文化財になっています。

今津は農村地区


神戸:けっこう寒いですねー。
母親:本当ですね、歌を歌いながら歩いたら、けっこうあったまると思うんですけど。
神戸:
あ、歌を歌うんですか?

山車曳きの歌「若い年のならわしごとに 山車出して 社前に奉載だ 奉載だに出る子 矢櫓に矢射かけて 的矢の矢」

神戸:どういう意味なんですか?
中村:これは、ちゃんと意味があるんです。順番を決めるのに、矢を射止めて、4町内で決めたんです。矢が一番いいところに当たった町内が先頭で行く。今はない。1台だから。そういう歌です。

「若い年のならわしごとに 山車出して 社前に奉載だ」

「奉戴」は、うやうやしく「押し戴く」という意味ですね。「社前に奉載だ」。その「奉戴だ」に出る子が、「矢櫓に矢射かけて 的矢の矢!」と言っている伝統的な囃子言葉です。

この言葉を、おじいちゃんたちも、おばあちゃんたちも、子供の頃に歌いながらお菓子をもらいに町内を巡り歩いたそうです。

古い町並みを歩く


最後にお話ししていただいたのは、「今津人形芝居保存会」恵比須座の代表、中村隆暢さんです。今津の人形芝居も、福岡県の無形民俗文化財。子供会は、人形芝居の稽古も受け、古い町に残る伝統芸能を引き継いでいこうとしています。