アメリカで人気沸騰中のスポーツ「ピックルボール」。11日、都内で会見が行われ、プロソフトテニス選手の船水雄太(30)が、本場アメリカのプロリーグ・MLP(メジャーリーグ・ピックルボール)に日本人として初めて挑戦することを表明した。

ピックルボールは、テニスと卓球とバドミントンの要素を組み合わせたラケットスポーツ。バドミントンと同じ大きさのコートで、卓球のラケットより少し大きい「パドル」を使い、プラスチック製の穴の開いたボールをテニスのように打ち合う。

ピックルボールのパドルとボール

アメリカでは競技人口が爆発的に増加しており、現在約900万人。一度でもプレーしたことがある人は昨年だけで4830万人(アメリカ人口の7~8人に1人)というデータも存在し、“チャットGPTかピックルボールか”と言われるほどホットなトレンドになっている。さらに2021年には、プロリーグ・MLP(メジャーリーグ・ピックルボール)も発足。プロテニス選手の大坂なおみやNBA・NFLのスター選手らが各チームに出資し、賞金総額約7億円というビッグマッチへと成長を遂げている。

今回、そんなピックルボールの世界に飛び込むのは、プロソフトテニス選手の船水雄太(30)。大学生の時に世界一に輝くなど、長年ソフトテニス界の第一人者として活躍してきた実力者だ。昨年6月、アメリカ・ロサンゼルスに出向き、ピックルボールを観戦・体験したという船水は、その盛り上がりに「人生をかけてやるしかない」と挑戦を強く決意。転職サイト「ビズリーチ」などを運営するVISIONAL株式会社のサポートを受けてプロリーグ・MLP(メジャーリーグ・ピックルボール)へ挑戦することが決まった。

MLP参戦には、毎年1月に実施されるドラフト会議で指名を受ける必要がある。そのためには、アメリカ各地で開催されている大会でポイントを獲得し、アピールすることが重要となるが、船水は1月中に渡米し、各地の大会に出場する予定。ソフトテニスで培ったボレーの精度を武器にMLP参戦を目指す。日本人として初となる挑戦に「アメリカで活躍する世界チャンピオンになることを無我夢中で目指していきたい。海外で活躍することによって日本の子どもたちに、僕が希望や勇気を与えたい」と意気込んだ。

アメリカンドリームを実現できるか、日本トップアスリートの新たな挑戦が始まった。

練習の様子

■船水 雄太(ふねみず ゆうた)
1993年10月17日生まれ、青森県出身。5歳からソフトテニスを始め、東北高校3年時にインターハイ団体&個人優勝。2015年には、大学4年生で世界選手権代表入りを果たし、国別対抗戦で世界一となった。早稲田大学卒業後は、実業団の強豪・NTT西日本で日本リーグ10連覇を達成。2020年からはプロソフトテニス選手として活躍している。