アーチェリー東京五輪個人・団体銅メダリストの古川高晴(39・近畿大学職員)が10日、練習拠点の近畿大学(奈良・生駒市)で6大会連続出場となるパリ五輪に向けてスタートを切った。

初練習の前には大学から約40分かけて山道を歩き、宝山寺を参拝。この山登りは年末年始のオフで休んだ体を呼び起こす狙いもあるという。参拝では「願いを叶えてくれるものではないと思うので、今年も精一杯努力するので見守っててください」と報告。初詣と言えば“おみくじ”だが「ネガティブな可能性がある要素はしない」と決めている古川は高校生の時から“おみくじ”を引いていない。その理由は「自分の努力が自分の結果に繋がると思う」と力強く語った。

東京五輪が終わってからフォーム改善に取り組んでいる古川は、「昨年末良い感覚を掴んだ」という。初練習でもその感覚に磨きをかけた。新フォームに関して「今年自分の物に出来れば金メダルの確率が上がってくる」と自信をのぞかせた。

練習後に新年の抱負を書き初めにしたためた。力強く書かれた「金」の一文字に込めた想いは「東京五輪が終わってから金メダルを目指してきた。今年パリ五輪なので金メダルを目指して戦っていきたい。金は獲ってみたいものですね」と目標を口にした。

古川はパリ五輪で夏季大会日本勢最多タイ記録となる6大会連続での出場となる。その原動力は「アーチェリーが大好きだからこそここまでこれたし、辛い練習も大好きだからこそ乗り越えることが出来た。もう一つは監督・コーチ・家族・練習仲間・職場の方々・メディア、たくさんの方々に支えられて色んな経験が出来たからだと思います」と笑顔を見せる。

プライベートでは18年に結婚。21年に第1子となる男の子、昨年には第2子となる男の子が誕生した。「2人に格好いい姿のお父さんを見せてあげたいな」とモチベーションがプラスされた。2児のパパとして挑むパリ五輪に向けて「全力で金メダルを目指して頑張りたい。ミックス(混合団体)が僕の中で一番得意でメダルを獲りやすい競技。五輪でミックスのメダルをまだ獲ってないのでミックスでもメダルを狙いたい」と意気込んだ。


■古川高晴(ふるかわ・たかはる)
1984年08月09日生まれ、39歳。青森県青森市出身、 近畿大学職員。
15歳でアーチェリーをはじめ、12年ロンドン五輪個人で銀メダル。21年の東京五輪では個人と団体で銅メダルを獲得。パリ五輪は夏季五輪での6大会連続出場となり、96年アトランタ大会から16年リオ五輪まで代表だった馬術の杉谷泰造と並ぶ日本勢最多タイの記録となる。