アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり政府は9日、軟弱地盤がある海域での工事再開に向けた準備作業を始めました。
普天間基地の移設工事をめぐっては先月、斉藤国土交通大臣が、移設に反対する県に代わり地盤の改良工事を承認する代執行を行いました。
これまでは地盤改良の必要がない区域での工事が進められてきましたが、沖縄防衛局は、軟弱地盤がある大浦湾側での護岸建設再開に向け、今週12日に工事に着手する方針で、9日はこれに向けた作業が始まったのが確認されました。

午後には大浦湾側で、小型ボートの上でダイバーが作業する様子や、海に潜る姿も確認されています。
関係者によりますと12日の工事で石材を海中に投入するため、これに先立ち海の濁りが広がるのを防ぐ囲いを設置するということです。
木原防衛大臣
「キャンプ・シュワブへの資機材の搬入など、大浦湾側の工事に向けた準備作業を行っているものと承知しております」

木原防衛大臣は9日の会見で、大浦湾側の工事に向けた準備を進めていると明らかにしたうえで「県と協議を行っている」との認識を示しました。
工事をめぐっては、2013年に仲井真知事が「承認」した際、県は「留意事項」として工事を実施する前に、県と協議するよう定めています。
これについて沖縄防衛局は去年9月、大浦湾側の工事に向け県に対し協議書を提出しています。
一方、県は代執行訴訟が係争中だったことから「協議に応じられない」と回答していて、大浦湾側の工事を前に、事前の協議は行われていないとしていて、「事前協議」に関して国と県の認識にズレが生じています。