◆ついに青学が王者・駒澤を逆転!
3区(21.4km)の駒澤・佐藤圭汰 (2年)は1500m、3000m、5000m、10000mで、20歳以下の日本記録を持っている“学生最強ランナー”。青学の太田蒼生(3年)に5㎞付近で18秒差、タスキを貰って4秒縮められた。7.5㎞付近で佐藤が太田に追いつかれると、並走が6㎞続き、13.9㎞付近で太田が勝負を仕掛け、前に出ると佐藤は後ろに下がる。佐藤は14.8㎞付近で再び横に並ぶと、今度は16.7㎞付近で太田が前に出てレースを駆け引き。
箱根3度目の青学・太田が箱根デビューの佐藤に揺さぶりを仕掛け、18.2㎞付近で佐藤を確認しながらサングラスを外し、ラストスパート。佐藤は反応できず差は10mほどに。太田は後ろを確認しながら沿道の声援に笑顔を見せ、3区で青学が逆転トップ。駒澤に4秒の差をつけてタスキリレー。これで駒澤の連続1位でのタスキリレーは23区間で途切れた。太田は3区で日本人選手として初めて1時間を切る59分47秒で区間賞を獲得。
雨が強く降り始め、気温も7℃と寒さを感じてきた4区。トップの青学の佐藤一世(4年)がハイペースで入ると、2位の駒澤・山川拓馬(2年)との差を15秒に広げた。佐藤のペースは落ちず7.5㎞付近では2位・駒澤とは30秒差、雨脚が強くなっても佐藤の走りには影響なく、残り1㎞で原晋監督(56)から「4年間の思いを込めて、往路優勝目指すよ」と声を掛けられた。佐藤は区間歴代7位、区間賞となる1時間01分10秒で勝負の5区(20.8km)の若林宏樹(3年)へ。駒澤とは1分27秒差に広がった。
強い雨に寒さも増した山上りの5区。2年ぶりとなった青学の若林は7㎞付近で2位の駒澤とはその差を1分33秒と少し広げる。最も急な坂も表情を変えずに通過。しかし、10.5㎞付近で両足の太ももを叩くと口がやや開きはじめ苦しい表情となってきた。それでもしっかりとした足取りで最高到達点となる標高874mを過ぎた。
残り1㎞で原監督は「若の神から山の神、動いてる!動いてる」と大きな声を掛けると目線を正面に向け力強く走った。青学は3区で駒澤を逆転してからトップを守り切り、最後は若林が2年前と同じく往路優勝のゴールテープを切った。原監督が口にした「負けてたまるか大作戦」で、駒澤の2年連続3冠の阻止に向けて大きく前進した。
レース後、青学の原監督は「素直にうれしいですね。駒澤の一強と言われた中で、『負けてたまるか大作戦』、本当に学生が頑張ってくれました」とコメント。「昨日の能登震災で開催できるかどうか分からない中、多くの被災にあわれいる方がいる中で、こうして箱根駅伝ができること、本当に感謝申し上げたいと思います」と話し、明日の総合優勝に向けて「(復路を)走る学生たちも堂々と自信を持って、輝いて走って欲しいと思っています」と期待を込めた。














