パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍の攻撃による甚大な被害が広がる一方、イスラエルメディアはガザの様子を伝えていないという批判の声が上がっています。
イスラエル軍による空爆で破壊された街並み。
子どもの遺体を涙ながらに抱きかかえる女性の姿。
私たちはガザの悲惨な光景を連日、目にしますが、イスラエルでは違います。
イスラエルで優秀なジャーナリストに贈られる賞を受賞した経歴を持つ「ハーレツ」のギデオン・レヴィ氏は…
イスラエル紙「ハーレツ」 ギデオン・レヴィ氏
「イスラエルのテレビや主流の新聞を読んでいる平均的なイスラエル人は、ガザでの残虐行為や恐ろしい光景に全く触れていません」
軍の行動を巡る世論調査では、ユダヤ系イスラエル人のおよそ8割がガザ市民の苦しみについて「ほとんど考えなくて良い」、または「あまり考えなくてよい」と答えました。
この背景にはメディアの責任があるとレヴィ氏は主張します。
イスラエル紙「ハーレツ」 ギデオン・レヴィ氏
「10月7日の蛮行のあと、イスラエルはどんなことをしても良いと思ってしまっているのです」
こうした批判をテレビ局はどう考えているか。取材に応じたのは、イスラエル最大の民間放送局で20年以上にわたり中東エリアの取材を担当するオハド・ヘモ氏。
イスラエルの民間放送局 オハド・ヘモ氏
「ガザで起きたことというのは、ガザがイスラエルに対して宣戦布告したということです」
ヘモ氏は「ガザについて十分に報じている」と主張。ただ、軍に同行し、ガザで取材したことについて聞くと…
イスラエルの民間放送局 オハド・ヘモ氏
「私たちが見たのは弾薬や武器が病院で見つかり、テロリストによって使われていたということです。それを見ました」
では、ガザの被害については…
記者 「ガザの街の破壊についても報じようとしましたか?」
ヘモ氏「もちろんです」
記者 「どのように報じましたか?」
ヘモ氏「すいません、このインタビューは嫌です。私の国は…攻撃されたんです」
記者 「もちろん分かっています」
インタビューは中断となりました。
戦闘開始から2か月半。停戦を求める国際社会の声が高まる一方、イスラエルでは戦闘継続を支持する声が根強いままです。
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