昔から不幸の理由を「妖怪のせい」にする文化があった日本人。様々な妖怪を展示している小豆島の美術館でなんと、今年の不幸を押し付けて「帳消し」にしてくれる妖怪が誕生しました。
出会えたらSNSがバズるという【画像①】のような妖怪「いいね!いいね!」に、口の中に住み着いて歯を溶かす【画像②】の「蟲婆(むしばばあ)」。


今の時代、新たに生まれた妖怪も展示されている、小豆島の美術館でシンボルとなっている妖怪がいます。
(古川豪太記者)
「目玉のような、雲のようなものが集まったこの妖怪の名前は『チョーケシ』。この一年であった嫌なことをすべて帳消しにしてくれるという年の瀬にありがたい妖怪です」
妖怪美術館の館長で画家の柳生忠平さんが生み出した妖怪、【画像③】の「チョーケシ」です。今の時代、このような妖怪が必要だと想像力を働かせてつくりました。

(妖怪美術館 柳生忠平館長)
「1年かかえてきたものを最後の最後にはきだしたいなというのはみんなあると思いますね。この妖怪のせいだっていうふうにしちゃえばちょっと心が軽くなるんじゃないかと」
(【画像④】に絵馬)
「1年付き合っている彼女の名前を書き間違えた」

自分の失敗や不幸など、帳消しにしたいことを絵馬に書き「チョーケシ」に託します。
「チョーケシ、チョーケシ」

そして【画像⑤】のようにチョーケシ棒をふると「失敗や不幸は妖怪のせい」となり、その理由を作った妖怪が生まれるというのです。
「夫あての『愛が強めLINE』を母に送っていたこと」

きょう(21日)は地域のまつりにあわせてチョーケシ大賞発表の日。全国から100件集まったチョーケシにしたいことの中から新たに生まれた妖怪は…
「発表!今年の妖怪は皿童(さらわらし)と万鈴(ばりん)という妖怪のコンビです」

初めての飲食店のアルバイト。いきなり60枚の皿をわってしまったのは【画像⑥】の妖怪「皿童(さらわらし)」と「万鈴(ばりん)」のせい。応募した人の失敗はチョーケシになりました。
(妖怪美術館 柳生忠平館長)
「ちょっと妖怪のせいにしてプラスに転じて考えていくと、マイナスもプラスになってそこからまた来年に向かってなんか一つ目標をたてられる。自分の心の余白ができたらいいのかなと」

「かまいたちに切られた」など、昔から不幸な出来事を妖怪のせいにしてきた日本人。今年1年の失敗を妖怪のせいにすれば、清々しい新年が迎えられるかもしれません。