18日東証グロース市場に上場した農産物や海産物の産直アプリなどを運営する「雨風太陽」(岩手・花巻市)。社長の高橋博之さんは12月4日、岩手県奥州市のリンゴ園に足を運んでいました。テーマとしている「都市と地方をかきまぜる」。その原点に立ち返る視察でした。

高橋さんが訪れたのは3代にわたってリンゴを栽培している奥州市の菅野農園です。
30人ほどを雇用し、11ヘクタールの園地でリンゴ37品種を栽培している菅野千秋さんは、産直アプリ「ポケットマルシェ」でリンゴおよそ1500万円を販売する中核的な生産者です。

「蜜が入っておいしいんです。この寒さにあたらないとこの蜜が入らない。甘いでしょ」
「甘いなこれは」
「リンゴの中でも一番糖度が高いと思います」


この日収穫したのは「青林」という品種です。シャキッとした食感と高い糖度が楽しめますが、サンふじなどと比べ形がそろっていないことから贈答用には向かず、あまり知られていませんでした。


高橋さんはポケットマルシェの事業を通して、この「青林」のような産地のこだわり食材や情報を都市部に直接届け、「都市と地方をかきまぜたい」と考えています。

(雨風太陽 高橋博之 社長)
「経済性だけだと結局もうかることだけをやって社会的に存在意義がなくなるし、社会性だけを追いかけても我々自身が続かなければ。地域を持続可能にしていくという会社が持続可能でなければいけないので」


岩手から18年ぶりとなる上場企業を率いる高橋さん。その原点はあくまで生産現場にあります。