イスラエル軍による攻撃が続くパレスチナ自治区ガザでの死者は、1万8000人を超えています。市民を含む犠牲者が増え続ける中、キリスト生誕の地ベツレヘムではクリスマスを祝う行事の中止が呼びかけられています。
記者
「キリストが生まれた地とされるここベツレヘムでは、毎年世界各地から信者が訪れ、ここには大きなクリスマスツリーが飾られて、イルミネーションも街中でともっていたんですけれども、今年はそういったクリスマスらしさは一切なくなりました」
キリスト生誕の地、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のベツレヘム。この時期、多くの人が訪れますが、ガザ地区でイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、今年はクリスマス行事が中止される見通しです。
祝祭を取りやめたキリスト教の教会では、ガザでのクリスマスを有名な「キリスト降誕」のシーンになぞらえ表現しました。
牧師
「世界中がツリーやイルミネーションで祝う中、これがパレスチナのクリスマスです」
そのガザでは、戦闘開始から2か月あまりとなる中、死者およそ1万8200人、けが人は4万9000人を超えています。
そして、イスラエル軍などは11日、この1か月間でハマスの戦闘員ら500人以上を拘束したと発表。イスラエルに移送し尋問しているとしています。
一方、イスラエルの地元テレビは政府高官の話として、戦闘終結後のガザの管理について秘密裏に検討するチームが発足したと報道しました。ネタニヤフ首相と軍などが参加し、数週間で4度の秘密会合を行ったということです。
また、イスラエル軍は11日、ガザ地区へ搬入する人道支援物資を増やすため、ガザとの境界にあるケレム・シャローム検問所で安全検査を行うと発表。
検査後、物資はエジプトとの境界にあるラファ検問所を経由し、ガザに運び込まれるということで、「イスラエルから直接物資が入ることはない」としています。
こうした中、アメリカの「ワシントンポスト」は、イスラエル軍がガザでの戦闘が始まった直後の10月中旬、隣国のレバノン南部を攻撃した際、非人道的兵器との指摘もある白リン弾を使用したと報じました。アメリカから提供されたものだということです。
レバノンはイスラエルと敵対するイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」が拠点を置いていますが、アメリカ国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は「一般的にアメリカが提供する白リン弾は、照明や煙幕などとして使用されることを想定している」と説明しています。
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