最近、町中に増えている無人販売所。「購入者の善意」により成り立つ販売形式です。
ところが香川県観音寺市の店舗で、驚きの手口で盗む「肉どろぼう」が現れ、店主は怒り心頭です。

11月28日夜11時半過ぎ、扉を開けて入ってきたのは白髪交じりの男です。
無人販売所に置かれた冷凍庫の扉をあけ、中から取り出したのは「肉」。その後も一心不乱に次々と取り出し、手には6パックの肉が。



そして料金箱で金を払うように「何か」を入れると、肉を手にしたまま去っていきました。
(古川豪太記者)
「肉を手にした男がこちらの料金箱に入れていたのは、金ではなくこのような『紙を何枚も折りたたんだもの』...金を払わずに肉を盗んでいったのです」


肉が盗まれる事件があったのは、観音寺市の郊外にある無人ホルモン販売所です。1パック500円から1000円で、30種類ほどの肉を販売しています。


「購入者の善意」があって成立する無人販売所。オーナーの福岡さんは憤りを隠せません。
(無人販売所を経営する福岡裕記さん)
「完全に盗みに来ていて、悪意しかないのがわかるので、憤りもありますし怒りもあります」

金ではなく「折りたたんだ紙」で支払うという、驚きの手口での肉どろぼう。

なんと翌日にもほぼ同じ服装で現れ、冷凍庫から肉を手にすると料金箱の前に。
折りたたみすぎて紙がぶ厚くなったせいか、なかなか入らず、無理やり押し込んでそのまま立ち去っていきました。



そしてきょう・・・。
(古川豪太記者)
「警察の捜査員が店に入っていきます。なんときのうもまた男が肉を盗んでいったということです」


11月28日に始まり29日そしておととい、昨日と続けざまに金を払わずに肉を盗んだ男。被害はきょう(8日)午後4時過ぎ、観音寺市内に住む59歳の無職の男を29日に2パックの肉を盗んだ疑いで逮捕しました。
この10日間で2万円分、8キロほどの肉が盗まれたという福岡さんは、複雑な思いもあるようです。

(無人販売所を経営する福岡裕記さん)
「よっぽど気に入って…よっぽど気に入ってますね。本当に普通にお金を入れて買ってくれたら何もなかったのに、気に入ってくれたのだったらお金を入れて買ってほしいなと」

「肉が欲しければ金を払う」というのが当たり前。男は「肉を盗んだのは間違いありません」と容疑を認めているということです。