若い世代のがん患者の中には、抗がん剤治療の影響などで、治療後の不妊に悩む人が多くいます。子どもをあきらめず、最新医療を選択した夫婦を取材しました。
35歳の時に悪性リンパ腫を発症
大分県由布市に住む木下佑美さん(43)は夫の昌樹さん(48)と5歳の長男との3人暮らしです。

(木下佑美さん)
「最近やっとまともに、子どもがラジコン操作をできるようになってきました。ご飯の食べる量とか、遊ぶ元気がすごいです」
佑美さんは8年前の2015年、35歳の時に血液のがんと呼ばれる悪性リンパ腫を発症し、抗がん剤治療を受けることになりました。今後の治療など将来に不安を抱く中、父親の知り合いの医師から伝えられたのが、将来を見据え、妊娠するための力を維持する「妊孕性(にんようせい)温存治療」でした。

(木下佑美さん)
「聞いたときはいまいちピンと来なかったんですけど、がんの治療をすると妊娠しにくくなるっていうのは、なんとなく頭にありました。そこまで子どものことを意識していなかったけど、保存をしておかないと多分、後悔するかなっていうのはありました」