■MLBウインターミーティング(日本時間6日・テネシー州ナッシュビル)
球団の幹部や代理人らが一堂に会するウインターミーティング(日本時間5~8日)がテネシー州ナッシュビルで行われている。
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(51)が会見でエンゼルスからFAとなっている大谷翔平(29)との交渉過程を語った。大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏は交渉球団に徹底した情報管理を厳命し、情報漏洩の場合は罰則するとも伝えらえる中で送ったロバーツ監督のラブコール。本命が一転してピンチに追い込まれる可能性が出てきた。
大谷争奪戦はドジャース、ブルージェイズ、ジャイアンツ、エンゼルスの4球団に絞られ、大谷はこれまでジャイアンツ、ブルージェイズと面談を行ったと伝えられた。そして、この日のウインターミーティング監督会見でドジャースのロバーツ監督が驚きの発言を放った。
会見で記者がロバーツ監督に補強ポイントを質問すると「多くの会話がある。翔平をどうするかということだ」と驚きの発言。FA選手の交渉について、球団は具体的に答えてはいけないという規約もある中で記者も固有名詞を出さずに聞いた。そこで大谷の名を自ら出した指揮官。空気は一転し、報道陣の質問にも遠慮はなくなった。
記者から大谷の事について問われると「正直に言うと、翔平と会って話をした。うまくいったと思う。時間にして2、3時間。いい感じだった」と面談した事に加えて、手応えまで口にした。
他の球団は大谷との面談を濁していたが公にした理由を問われると「私は嘘をつくようなことはしたくない。プライバシーの尊重もある。私としては的を射た質問を受け、嘘を答えるのは難しい。交渉の詳細は伏せられる」と指揮官は答えた。
しかし、約1時間後、ドジャースのブランドン・ゴームズGMは顔を曇らせて取材の対応を行った。「(監督の発言には)驚いている。ロバーツが語ったことにはコメントできない。何らかのルールに違反しているかどうかは言いたくない」と語った。
先日のジャイアンツ・ザイディ編成部長は大谷という固有名詞は出さず、チームのアピールポイントを記者に話したのみに留まっていた。今回のドジャースは固有名詞も口にし、会場ではFA選手の交渉について球団は具体的に答えてはいけないというMLBの規約に触れる可能性を指摘する記者もいた。
他の3球団はというとブルージェイズのシュナイダー監督(43)は「彼はこのゲームに於ける史上最高の才能」と称賛したものの「私達は多くの選手と対面している。言えるのはそれだけ」と語り、ジャイアンツのメルビン監督(62)も大谷に関しては「ノーコメント」。エンゼルスのミナシアンG Mはいつものように「コメントできない」を連発した。
ロバーツ監督の発言はリーグ規約に反するのか、バレロ代理人は情報を明かしたことをどう捉えるのか。大谷争奪戦で本命と評価されてきたドジャースに初めての逆風が吹く可能性は否めない。