中国に駐在する垂秀夫大使が、今年3月に中国でスパイ容疑で拘束されたアステラス製薬の日本人社員に初めて面会しました。

垂秀夫日本大使は28日午前、アステラス製薬の50代の日本人男性社員に初めて面会しました。面会は北京市内の収容施設でおよそ30分にわたって行われ、男性の健康状態に問題はなかったということです。

男性は今年3月、北京からの帰国直前に反スパイ法などに違反した疑いで中国の国家安全当局に拘束され、10月に正式に逮捕されました。

垂大使は来月、帰任する予定ですが、その前に男性との面会を強く要望し、実現したということで面会を終えた大使は「自分の拘束について関心を持ち続けて欲しいと思っているように感じた」としています。

中国では2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、17人の日本人が拘束され、10人が実刑判決を受けています。

日本政府は男性の早期解放を求めていて、今月17日の習近平国家主席との首脳会談の際も岸田総理が直接、働きかけています。