沖縄本島北部に位置する伊江島。伊江島と言えば、「伊江島タッチュー」が頭に浮かぶ人は多いと思います。地元に愛され続ける伊江島タッチューの魅力に迫ります。
パノラマの景色に季節の彩り、島の伝説が詰まったタッチュー
今回取材の案内人をしてくれるのは、村役場で長年、伊江島タッチューの保全管理を担当してきたという、宮里徳成さんです。
屋良キャスター
「空気も澄んでいて、涼しい!心地いいですね!
宮里さん
「ここに来るのが楽しみなんですよ!地元の平地では感じられない気持ちになりますから」
標高172m、平坦な地にそびえ立つ島唯一の山「伊江島タッチュー」(城山・ぐすくやま)。癒しの空気を感じたのも束の間、すぐに頂上までの急な階段が立ちはだかります。
その数、291段―
宮里徳成さん
「皆が大変苦労するので『にくいな』ってことで、291階段ということで作られて」
屋良キャスター
「ほんとだ、ちょっとにくい!めちゃくちゃ急じゃないですか!」
憎い階段を登りながらも、その途中では城山にしかない数々の景色に出会えます。こちらは、島で唯一、紅葉が確認できるウルシの木です。この後さらに深まり、1月頃まで、色づいたウルシの木が楽しめます。
中間地点を過ぎた所からキツくなり、さらに急になる山道。体力がある人なら、およそ15分で、頂上に到着します!
屋良キャスター
「頂上に着きました!頂上立ったら、空がほんとに近い。飛行機も手が届きそうですよ」
遮るものが何もないタッチューの山頂。360度を見渡せる絶景を楽しんだあとは、島の伝説に触れることもできます。
その昔、力持ちの大男「タンナーパ」が、城山に攻めてきた敵を追い払うため、力いっぱい足を踏ん張り、石を投げつけたという伝説です。
宮里徳成さん「その時の足跡です」
屋良キャスター「いまだに足跡が残っているんですか?」
タンナーパの伝説に触れた後は、名物の女性との出会いが待っています。
登山口にある、土産物屋に立ち続けて40年の下門ミサ子さんです。
Q下門さんにとって城山ってどんな存在ですか?
下門ミサ子さん「神様よ。音に名高い伊江タッチュー、姿形のすばらしさ♪それに劣らずねえあなた。私を囲んでくれる山♪」
島のシンボルであり、人々の拠り所となっている伊江島タッチュー。子どもたちの描く絵は、どれも個性豊か。その理由は島の人は皆、好きな角度があるため、人によって見え方が異なるとこのこと。実際に山を下りて検証してみました!
島の住民
「島の東側出身なので、やっぱりこっちの方が良い、東の方からの」
「自分たちのニンニク畑から見たタッチューが好きで、タッチューを背に日が沈んでいくので、今日も一日終わったなって感謝の気持ちが出てくる」
「こっちが良いんですよ!生活の中でいつもずっと見ているところが良いかもしれない。こっち側にくぼんだ目みたいなやつがあって、少し南に向いてちょっとゴリラの形、そういう感じが1番好きです」。
皆さん好きな角度は、自分の地域から見た山。そこは譲れないようです。
宮里徳成さん
「生まれた時からここに住んでいるので、インプットされている。島から出て行って、フェリーで城山が近づいてくると、ほっとする。懐に抱かれている感じで」
伊江島を訪ねると、タッチューを大事に思う、島の人たちの姿がありました。