悪質ホストクラブの問題をめぐり、被害者女性が国会で野党のヒアリングに出席し、いわゆる“ツケ”の支払いのため、海外で売春するよう持ちかけられたことなど被害の実態を訴えました。

悪質ホスト 海外の売春強要も 総理「一層緊密に連携し対応」

立憲民主党・鎌田さゆり衆院議員
「悪質なホストクラブ問題について、人生を狂わされるケースや、被害者が自死に追い込まれる被害も出ています。総理、悪質なホストやホストクラブ商法は問題と思われませんか」

岸田総理
「政府としても関係省庁が一層緊密に連携し、相談対応の強化等の対策、これをしっかり行ってまいります」

悪質ホストクラブ問題について20日、国会で初めて答弁した岸田総理。

この問題をめぐっては、ホストが女性客に高額な請求をして借金を負わせ、支払いのために売春をそそのかすケースなどが問題視されていますが、野党議員は、「海外での売春にも拡大している」と指摘しました。

その実態について、20日、被害女性が訴えました。

悪質ホストクラブの被害女性
「毎日、四六時中電話がかかってくるんですね。いつ返せるんだって。仕事行っているのか、売り上げはいくらだっていう電話が永遠に来るんです」

売掛金が2年間で160万円に膨れあがったと話す20歳の被害女性は、売掛金を払えなくなるとホスト側から、海外の風俗で働くことを持ちかけられたと明かします。

悪質ホストクラブの被害女性
「売掛金が払えなくなった時に海外を俺が紹介できるから、海外に行く?って。風俗の仕事」

支援団体は女性が海外に行って、行方が分からなくなるケースも見られると訴えます。

NPO法人「ぱっぷす」金尻カズナ理事長
「(女性が)出稼ぎに行くって最初おっしゃるんですね、それ以降会えなくなった方もいるので、若い女性が出稼ぎと称して出国して戻れなくなっているケースもあるんじゃないかと」

支援団体は、反社会勢力と繋がりのあるスカウトがホストと手を組み、女性を海外の風俗に斡旋していると指摘します。

こうした中、警察庁も背後に犯罪グループが存在している可能性があるとして対策を強化しています。

警察庁・露木康浩長官
「現在、匿名・流動型犯罪グループの取り締まりが治安上の重要課題の1つと位置づけて、この悪質ホストクラブの背後で不当に利益を得ている可能性も視野に入れて、対策を強化しているところです」

警察も対策強化に乗り出した悪質ホストクラブ問題。被害はなぜ、増えているのでしょうか。