罪を犯した少年の育った環境や事情を調べて改善策などを示す少年鑑別所の見学会が、長野市で行われました。

長野市の長野少年鑑別所の見学会は、地域の人に鑑別所の役割を知って理解を深めてもらおうと行われたもので、地域住民や児童相談所の職員などおよそ40人が参加しました。

少年鑑別所は、家庭裁判所の審判を前にした少年たちを収容し、非行に至った環境や事情を調べ、適切な支援などの処遇を行う施設です。

少年たちは3畳ほどの個室で生活し、静かな環境の中で自分自身を見つめなおす時間を設けるようにしています。

調査室では、鑑別所や家庭裁判所の職員などが面接を行い、少年が自分の生き方について「気づき」が得られる時間を大切にしています。

長野少年鑑別所庶務課・白峯博司(しろみね・ひろし)課長
「(少年鑑別所は)反省をさせる場ではないので、自分で自分のこれまでのことを考える、その中でいろいろなことに気づいていくことがとても大切な過程」

10日は、少年たちが社会に出た時の支援について考えるシンポジウムも開かれました。

中学・高校時代に非行に走り、少年院に入った才門辰史(さいもん・たつし)さんは、自分の経験を踏まえて、更生に必要なことについて次のように語りました。

才門辰史さん:
「一つは自分のことを見捨てない存在です。もう一つは自分のことを必要としてくれる存在。『働いてくれないか?』と言われたことがどれだけうれしいことだったか。そのうえで、ドロドロした部分も含めた本音を話せる人、この3つの出会いが、自分の生きなおしにとって大きかった」

才門さんは、少年院を出た後の若者をサポートする団体を運営していて、少年たちの「居場所づくり」に力を注いでいます。