環境省によると全国のクマによる人身被害は、これまで多かった2020年度の158人を上回り2023年度は先月末までで180人。記録が確認できる2006年以降過去最多となりました。
■相次ぐクマの目撃 理由は「柿の木」?
井上貴博キャスター:
本来クマは人の気配を感じると逃げていく習性がありましたが、人との接点が増えることでその前提が崩れています。どのようにして共存していけばいいのか。
クマによる人身被害です。環境省のデータによりますと、2016年度以降、大体、単年度100件、少ないときで2桁ですが、2023年度は既に過去最多180件(10月末時点)に及ぶということです。今までと状況が変わってきたということですね。
その中で、最近の目撃情報を見てみますと…
11月3日、山形・庄内町で散歩中の70代男性が柿の木に登るクマ3頭を目撃。
11月5日、宮城・富谷市では住宅の畑で「クマ2頭が柿を食べている」と警察に通報がありました。
11月6日、新潟・新発田市では「自宅の柿の木にクマが登っている」と警察に通報がありました。
目撃されている場所はすべて「柿の木」なんですね。「柿の木」が一つポイントになるのかということで、調べを進めてみました。
専門家の新潟大学農学部・箕口秀夫教授にお話を伺いました。「今年はブナの実など、広い範囲で凶作。この状況の中、柿の木はクマにとって1番都合の良いエサ」と話していました。
クマにとって「柿の木」は、▼大量に実る、▼栄養価が高い、▼簡単にとれる。農家ですと、柵などでクマ対策をしているわけですが、家の柿の木などはクマ対策をしているお宅は少ないということで、クマも学習し、家の柿の木であれば簡単に取れるだろうという行動に移っているのではないかという分析です。
そして、クマが柿に集まるもう一つの理由として、人間側の管理が行き届かなくなってきているという観点です。柿の木は成長すると高くなりますので、なかなか人間が取ることは難しい。そして、高齢化が進んでいます。空き家だと柿の木の所有者が不明ということで、そのまま放置されています。管理できなくなった地域が増えてしまって、そのような場所にクマが来るのではないかということです。
富山県に住む男性も、「40年前、自宅の庭に柿の木を植えたが、若いときに植えたものがこんなに大きくなるとは。どうやって切ったらいいのか分からない」と話していました。
柿の木を切った方がクマ対策になるだろうとは言いますが、どう行動していいのかわからない。
そういったことから、自治体ではこんな動きをしているところがあります。
多くの自治体では、柿などの摘み取り・伐採に対して費用を補助しているといいます。
富山県立山町役場では、満70歳以上のみの世帯の場合、柿の木の伐採作業を無料で行っています。申し込みは10月中頃から始まっていて、もう既に32件の申し込みが来ているそうなんですが、担当者は「予想以上に多く、伐採が追いつかない部分もある」と話しています。
■東京でもクマの目撃情報が増加?
東京でのクマ目撃等の情報です。(2023年度)東京で117件ありました。毎年ある程度の目撃情報はあるんですが、目撃の数が増えてきている。あとは目撃の範囲が広がってきているということで考えますと、初めてのことです。
町田市でも目撃情報がありました。10月18日、宿泊施設のキャンプ場付近で約90センチのクマ1頭が出没しているのが目撃されました。キャンプ場付近ですので、緑が豊かな場所ではあります。目撃した後、クマは湖のある方向へ逃げたということです。人や農作物の被害はありませんでした。宿泊施設は安全確保のため、11月15日まではテントなど屋外での宿泊を中止するということです。
ホラン千秋キャスター:
クマにとっても、やはり生き延びるために生存するために必死になって冬眠前にエサを探しているということだと思うんですが、人間にとって美味しいものはクマにとっても美味しい可能性があるということですね。
秋元里奈さん:
結構、農家さんでも獣害の被害に遭われてる方が多くいらっしゃって、最近だと、それこそ「クマに」っていうケースも多く聞くようになりました。まさに収穫直前の一番美味しいときに、明日取ろうと思ってたらそれ食べられちゃったとか、全部食べられちゃったって人もいますし、心理的ダメージは農家さんにとって大きいなと思いますね。さっき電気柵の話もありましたけど、そういう補助金も一応出たりしてて、クマが出やすい地域とかは電気柵をつける補助金ってあったりするんですけど、東京都は確かあんまりなかった気がしてて。だから、都市部にも増えてきてるっていうとこだと、今まで対策をしてなかった方も対策が必要になってくる可能性があるのかなと思います。
ホランキャスター:
そして、対策をしないと、そこがエサ場だと思って毎年繰り返し来たりする可能性もあるわけですからね。
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