山口県周防大島町立橘医院で、金歯などで使われた金属が適正に処分されていなかったのではないかと指摘されている問題です。町内の歯科医師らが31日、住民監査請求を申し立てました。
監査請求をしたのは町内の194人で、歯科医師・武中市郎さんら3人が、大島博・町監査委員事務局長に請求書を手渡しました。
この問題を振り返ります。
まず「歯科金属」というのは、金歯や詰め物などで使われるもので、パラジウム、金、銀など高価な金属です。これが詰め替えなど、治療で不要になったものは「歯科金属スクラップ」と呼ばれます。町立橘医院のスクラップの処分について、町が確認したところ、おととしまでの20年間に約5キロがあることが確認されました。これを去年処分し、およそ1000万円になったそうです。
しかし町内の歯科医師らは、医院の規模や患者の数からすると明らかに少ないと指摘していて、控えめに見積もっても20キロはあったのではないかとしています。
町は去年、歯科主任部長の男性歯科医師を減給10分の1、1か月の懲戒処分としていて「東日本大震災の被災地に許可なく寄付したと認められる」としています。しかし寄付した相手や量などの詳細は分かっておらず、この問題を追究している町内の歯科医師は、今年2月に男性歯科医師を業務上横領の疑いで告発しています。
武中さんらは監査請求で、歯科医師本人や、監督責任を負う病院事業管理者に対し、町が損害賠償を請求するよう勧告を求めています。
会見で武中さんらは、これまでに歯科医師の処分が発表されたのみで問題がどのようなものか明らかにされていない。損害賠償などの手続きとともに、住民に真実を知らせてほしいとしています。監査の結果は年内に出される予定です。














