女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝(11月26日・宮城県開催)の予選会であるプリンセス駅伝が10月22日、福岡県宗像市を発着点とする6区間42.195kmのコースに31チームが参加して行われる。大会前日の監督会議後に区間エントリーが発表された。九電工が3本柱を予定通りに1、3、5区に順当に配置した。三井住友海上は1区の樺沢和佳奈(24)から調子の良い選手を3区までに並べてきた。前半で先行する三井住友海上を、前回区間賞の5区・逸木和香菜(29)で九電工が逆転できるかどうか。
前週のMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)出場選手では、天満屋4区に松下菜摘(28)、ワコール2区に安藤友香(29)、大塚製薬2区に川内理江(28)、同4区に福良郁美(26)がエントリーした。
今年はクイーンズ駅伝出場権を16位までのチームと、17位以下でもMGC出場資格選手が在籍するチームが獲得する。
1区に強力スピードランナーが多数
1区(7.0km)の区間賞は三井住友海上の樺沢が最有力だ。9月の全日本実業団陸上は初日の1500mで4分11秒53と、自己記録を5秒近くも更新。日本人1位の木村友香(28、積水化学)に0.02秒まで迫った。そして3日目の5000mは暑さのため記録は15分33秒69にとどまったが、日本人2位に3秒62差をつけた。
しかし「1500mの練習はまったくしていなかった」という。もともと中距離でタイトルを取ってきた選手。練習で長い距離を走っても、樺沢のスピードは落ちないことをアピールした。ハイペースになってもスローペースになっても、樺沢は余裕で対応するだろう。中盤以降、走り切れると思った箇所で一気にスパートする展開か。
1区には樺沢以外もスピードのある選手がそろった。下田平渚(25、センコー)と田﨑優理(22、シスメックス)も1500mから距離を伸ばした5000mランナー。樺沢に食い下がるだけでなく、勝機を見て取れば逆にスパートをかけるだろう。
逆にスタミナ型なのが唐沢ゆり(27、九電工)で、初マラソンだった2月の大阪を2時間27分27秒で走った。樺沢の三井住友海上と唐沢の九電工は、優勝を争うと見られている。樺沢に勝てればベストだが、負けたときは何秒差で後続につなぐかが重要になる。
2、3区で流れに乗る候補は三井住友海上、ユニクロ、シスメックス、ワコール
2区(3.6km)は、1区の樺沢の貯金が大きければ、三井住友海上の片貝洋美(32)がトップをキープする。1区の貯金が小さければ、今年8月の世界陸上ブダペスト1500m代表だった後藤夢(23、ユニクロ)のスピードが、駅伝でも威力を発揮するか。
後藤は10月初めのアジア大会にも出場し、その後体調を崩してしまった。「練習がしっかりできているわけではありませんが、ロードでしか出せない力もあります。1秒を無駄にしない走りをすることがチームの後押しになる」と大会前日に話した。
後藤の他にもワコールの安藤と、シスメックスの西原加純(34)も、トラックの日本代表経験があるスピードランナー。シスメックスは1区の田﨑が樺沢に食い下がれば、2区の西原でトップに立つ可能性がある。
3区(10.7km)は最長区間でありエース区間。近年の日本代表選手はいないが、21年のクイーンズ駅伝3区区間3位の筒井咲帆(27)が実績でリードしている。岡本春美(25)がメンバーから外れたが、1、2区の頑張り次第では優勝争いに加わることができる。
3区出場選手の中では柳谷日菜(23、ワコール)が、10000mのシーズンベストが31分56秒32でトップ。2区の安藤からタスキを受けるが、「私が追い上げていくので安心して、気楽に走ってもらえたら」と前日会見で話した。安藤が好位置までチームを押し上げれば、ワコールが3区でトップに立つことができる。
しかし三井住友海上も、スピードのある西山未奈美(23)を3区に起用してきた。3000m障害が専門で、1500mでも今季4分14秒85とトップレベルの記録を出した。5000mでも15分33秒81を出しているが、10000mや10kmの距離では実績がない。10km強の距離では不安もつきまとう。逆に西山が3区で快走したら、三井住友海上が首位固めの態勢に入る。
九電工の林田もシーズンベストは32分15秒97で、3区では柳谷に次ぐ2番目のタイムを持つ。九電工は後半区間も強いので、落ち着いた走りをすればいい。そう考え、予想以上の快走につながるかもしれない。
ユニクロ3区の平井見季(27)はシーズンベストこそよくないが、昨年5000mで15分24秒82で走っている選手。後藤がトップ争いにチームを乗せれば、平井の力が引き出される可能性もある。














