大学進学者のうち、約8割が県外の大学に進学している三重県。
この流れを食い止めようと「県立大学」の設立構想が持ち上がりましたが、大学の新設に対し有識者会議から厳しい意見が出されました。
そのワケとは。

県内に7つの大学と4つの短期大学などがある三重県。
大学進学の際、約8割もの学生が県外の学校に流出してしまうことが問題になっています。
そこで持ち上がったのが県立大学の新設構想。
ことし6月から大学経営などに詳しい専門家らでつくる有識者会議で議論が重ねられてきました。

10月17日、一見勝之知事に手渡された報告書によりますと「県立大学を設置することの費用対効果は高いとは言い難い」という指摘がされたほか、こんな提言も…。
(有識者会議長 長野県立大学 田村秀教授)
「現実に(学生が)県外に多く出ている中で、そういう学生が、いかに県内の企業に目を向けて就職をしてもらうか。そういったところへの情報発信など、もっとやることがあるのではないか」
一方、現役の高校生たちに話を聴いてみると…。
(三重県内在住 高校3年生)
「近くに希望する学科がなかったりするので、もう少し(大学が)ほしいです」「(Q:もう1つ国公立大が増えたら?)うれしいです。倍率が低くなるかもしれないし」
「候補が増えるのは良い」
現役の高校生からは「県立大学」を歓迎する声が多く聞かれました。

しかし、19日の定例会見で一見知事は報告書の内容について改めて問われると…。
(三重県 一見勝之知事)
「県立大の新設については課題も多いという結論になったのかと。比較的小規模な大学なら経営を維持しながら、一定の県内定着を見込める可能性があると書いてあるので。一概に否定しているわけではないと思います」
報告書の内容は大学の新設について完全に否定しているものではないと強調した一見知事。
三重県は10月下旬から11月上旬までには結論を出したいとしています。














