新潟県内におよそ4000か所ある危険な場所、ため池。
池に潜む危険を知ってもらおうというイベントが三条市で開かれました。

スタントマンが入っているのは三条市にある農業用のため池です。

ため池に潜む危険を知ってもらおうと県が企画したイベントで地元の小学生や、ため池を管理する農家らおよそ70人が見学しました。

水難学会 齋藤秀俊 理事
「本当の深さと目で見た深さが違う」

長岡技術科学大学 大学院の教授で水難学会の齋藤秀俊 理事によりますと、ため池に潜む主な危険は2つ。

1つ目は、浅く見えても実は深いことです。

このため池は5~6メートルの水深があります。

「戻ろうとすると足が滑って奥に行くんですよね」

もう一つが、のり面に角度があり、滑ったり転んだりして上がれなくなることです。

もし溺れてしまったら、どうすればよいのでしょうか?

「このポーズ(仰向けに浮く)をとることがが基本になります。慌てて声を出したり、手を挙げたりはしない」

落ち着いて空気を吸い、仰向けで浮いて助けを待ってください。

また、溺れた人を助けようと手を伸ばすと腕を引っ張られて助けようとした人も落ちる危険があるため長い棒や救命道具、ロープなどを使って助けるのがいいそうです。

小学4年生
「その場でバタバタしているのは体力を使うだけなのでやめた方がいいと思った。ため池にはなるべく近づかないようにしたいかなと思いました」

ため池を管理する農家
「コンクリートの上に水があるとどうしても滑りやすくなるので、その辺を十分に気を付けて、階段はある程度下までついているのでそこだけを歩くような形を指導していきたい」

県によりますと、2022年度までの10年間に県内ではため池での事故で8人が死亡しています。

水難学会 齋藤秀俊 理事
「ため池は見た目がすごく安全に見えるんですよね、ところが一回足を踏み入れると命の危険がある。基本的なところでいうとため池には近づかないということですよね」

県内にはおよそ4000のため池があり、県は今後も危険性を呼び掛けていきたいとしています。