福島第一原発の事故を巡る「3つの検証」について、新潟県と意見が対立し、総括をしないまま委員長の任期を終えた池内了氏が独自の総括の要点をまとめたパンフレットを公表しました。

検証総括委 池内了 前委員長
「個人として可能な範囲で総括したい。報告書に対してきちんと批判なり意見なりコメントなりつけたもので」

池内了 前検証総括委員長が公表したのは、独自にまとめた「3つの検証」の総括『池内検証』の要約パンフレットです。

福島第一原発事故に関する「3つの検証」については総括の在り方などを巡って池内前委員長と県の間で意見が対立。

県が委員会に代わって総括し「3つの検証」それぞれの報告書の間に「矛盾・齟齬はなかった」と結論付けましたが、池内前委員長は「柏崎刈羽原発に対して何ら言及しない検証総括はありえない」と反論していました。

パンフレットは「3つの検証」で残されている課題を紹介したうえで原子力災害が農業・水産業に与える影響や風評問題など丁寧な議論がされていない問題があると指摘しています。

このパンフレットで市民が原発について議論する機運を高めたいとしています。

検証総括委 池内了 前委員長
「課題を選び出すのは市民である。(私の)報告書にも課題出ているが、市民が受け取った上で市民検証として出していきたい」

池内前委員長は11月、95ページに及ぶ詳しい総括報告書を公表する予定です。