中国の王毅外相とアメリカのブリンケン国務長官が電話会談を行い、緊迫するイスラエル・パレスチナ情勢について意見交換を行いました。

中国外務省の発表によりますと、電話会談で王毅外相は「紛争はエスカレートしており、制御不能に陥るリスクに直面している」という認識を示したうえで「できるだけ早く停戦を実施し、国連安全保障理事会が相応の役割を果たすことが不可欠である」と主張しました。

また、「問題解決には、独立したパレスチナ国家の樹立とパレスチナとイスラエルの平和的共存が必要だ」とする中国の立場を改めて説明したうえで「アメリカが建設的な役割を果たすべき」だと述べました。

これに対し、ブリンケン国務長官は「中国と意思疎通し、協力を強化する用意がある」と応じたということです。

このほか中米関係について王毅氏は「二国間関係は安定化の勢いを見せている。アメリカが中国の核心的利益について尊重し、安定した発展の軌道に戻るよう望んでいる」と関係改善に前向きな姿勢を示したのに対し、ブリンケン氏も「米中関係の安定を望んでいる」と述べたということです。

中国の習近平国家主席とアメリカのバイデン大統領は来月、アメリカで開かれる国際会議を機に1年ぶりに首脳会談を行う見通しで、その調整を行ったものとみられます。