新潟県新発田地域振興局発注の工事を巡る官製談合事件で、新発田市の業者が中心的な役割を担って業者間で受注調整を行っていた可能性もあるとみて、警察では捜査をしています。
この官製談合事件では11日に、新潟県新発田地域振興局の元農村整備部長・鶴巻博文容疑者と新発田市の建設会社岩村組・顧問の本田任容疑者が再逮捕され、胎内市の建設会社「西奈美組」の西奈美裕輔容疑者と「小野組」の須貝真司容疑者と「延本建設」の佐久間功容疑者の3人も、新たに逮捕されました。

元農村整備部長の鶴巻容疑者と岩村組の本田容疑者は、新発田市での工事の入札を巡る官製談合防止法違反の疑いで先月に逮捕され11日に起訴されていますが、新発田地域振興局が8月に行った胎内市での工事をめぐる入札でも談合に関わった疑いが持たれています。
12日には、新たに逮捕された3人が勤める胎内市のそれぞれの建設会社に、警察の家宅捜索が入りました。
警察によりますと、鶴巻容疑者は業者4人と共謀して岩村組の本間容疑者に予定価格などを漏らし、業者はこの予定価格などをもとに入札価格を算出して、胎内市の「西奈美組」に落札させた疑いが持たれています。

既に鶴巻容疑者らが起訴されている1件目の事件では、鶴巻容疑者が岩村組の本田容疑者に予定価格を教えたとされ、岩村組が工事を落札していました。
一方で2件目の事件では、1件目と同様に鶴巻容疑者が本田容疑者に予定価格などを漏えいした疑いが持たれていますが、本田容疑者が顧問を務める岩村組はその工事の入札には参加しておらず、西奈美組が2070万円で落札しています。この工事の予定価格は2167万円で、およそ95.5%の落札率でした。
警察では、捜査に支障があるとして5人の認否を明らかにしていませんが、本田容疑者が地域振興局発注の工事を巡って中心的な役割を担い、業者間で受注の調整をしていた可能性もあるとみて捜査しています。

県職員の再逮捕を受けて新潟県の花角英世知事は「誠に遺憾です。職員の服務規律を改めて徹底したい」と話し、元常務が逮捕された胎内市の「小野組」は、「警察の捜査にしっかり協力しながら社内でも状況の把握に努めていく」とコメントしています。
